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エシホ学園の日常
まるで奇跡
静かに水が流れる音。

最初に、駸邪の耳に入ったのはそんな音だった。
その次に、瞳から眩しい感覚が伝わる。
時刻は分からないが、どうやらもう昼だった。
それを理解した瞬間、左足から激痛が走る。
駸邪はその痛みに堪えながら、ゆっくりと目を開き・・・光に慣れた所で、自分がどういう状況にあるか、分かる。
流れる川の近くにいて、右隣には奨とその隣に尖龍。そして・・・・・・未だに痛みがある箇所に目を移し・・・今まで何が起こったか、思い出す。

怪物に襲われ・・・化物に脚を折られ・・・他の二人もやられ・・・真魔先生が助けに来た所で意識が途切れたのを・・・・・・

そこまで思い出した駸邪は・・・今生きているのが不思議だった。
あの時、殺されてもおかしくない。本当は、今頃化物の腹の中だったろう。それが、土の上で寝ていた。脚を折られたとはいえ、命に別状なくここにいた。
奇跡としか考えれなかった。



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