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エシホ学園の日常
最後の訓練
要塞内にある食堂に次々と朝の訓練が終わった兵士が入る。
その中には、先ほどの訓練隊員の姿もあった。
食事はバイキング方式で食堂の中で一番でかいテーブルの上にはパン、サラダ、オムレツなどの食べ物が置かれていた。
兵士達はそれをそれぞれ皿とトレーを持って、トレーの上に置いた皿の上に乗せていくのである。
[それにしても、なんか普段通りに終わったな。]
一人の薄いブラウンの色の髪を持つ少年がそう言うと、漆黒の黒髪に暗くどこかどんよりとした青い瞳を持ち、相手が近寄りがたい雰囲気を放つ。
また、それを助長させるかのような相手を畏縮させる鋭い目つき。
そして、肌が日系人でそんな外見を放つ少年がそれに対して質問する。
[何が?]
[いやだって、お前、今日で最後の訓練じゃん。]
[そうだよな。ここに来て、八年の付き合いになるけど、日本に帰るもんな。]
[・・・別に、最後だからって将軍は手加減しないよ。むしろ、いつも通りがいいし。]
[シンヤは日本に帰らないでこのままフランスに移住して、外国人部隊に入ろうって考えないのか?]
シンヤと呼ばれた少年は、はぁ・・・とため息をしながら、パンを取り
[悪いけど、一回も考えたことない。フランスに来てから、中学を卒業したら日本に帰るって前々から決めていたしね。]
シンヤ・・・。
名前は守人駸邪(もりびと しんや)。
今から、12年前に日本から家族でフランスに来て、それから留学生として住んでいる。
理由は彼の父の知り合いで三人の人と会ったが、三人ともそれぞれ何かの達人であった。
ちなみに、ダン・ノールもその三人の一人である。
そして、三人の達人の技を見た駸邪は゛自分も習いたい″という思いが芽生える。
それで、父の許可の下にフランスで留学生として住むことが許された。
そんな今年で彼はフランスの中等学校を卒業する。
駸邪は元々、中学を卒業したら日本に帰ると決めていた。
理由は、当初からフランスに生涯住む気はない。
だから、だいたいの進路が決まってしまう高校入学の際は、日本の高校でと決めていたのだ。
日本とフランスでは学校によるが、学ぶものが違う。
なので、日本の高校で日本の生活様式などを改めて学ぼうと考えていた。
そして、昨日、晴れて中等学校を卒業し、今日、帰る予定である。



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あきゅろす。
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