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エシホ学園の日常
慣れ
アイスは駸邪の行動を見て、後ろに一度跳んだ。なぜなら、相手が後ろ腰から拳銃を取り出したからだ。素手で仕留めると言っていたはずが、この行動は予想外だった。
そして、銃口は上に向き・・・その先は電球。サプレッサーのおかげか、無音で発砲された麻酔弾はそれに当たると同時に、辺りの光景を黒に変える。
アイスは拳銃のせいもあって、駸邪の行動に反応するのが遅れる。その結果、いつの間にか、視界が真っ黒・・・暗闇となってしまった。
そこでアイスは両腕で顔を隠すように構える。闘いが始まってから初めての防御の姿勢を取った。そうして、思考を巡らす。

この暗闇は何の意味を持つのか。
撹乱?逃走?攻撃?
撹乱なのは間違いないと考え、続いて逃走。攻撃するにしても、あっちも暗闇で視界が見えないはずという結論からだった。

その考えに至ったら、次の行動はアイスの中で決まっていた。
駸邪を逃がさない。ただそれだけ。


アイスにとっては、仕事の邪魔をした奴。だから、タダでは置けない。よって、殺す。


アイスは次に、相手はどこから逃げるか考えようとする。その時、左側頭部に硬い何かがぶつかった感覚。それと同時に、地面に吸い寄せられるように倒れる体。
彼は何が起こったか理解しようとした。だが、それより先に・・・身体に感覚無く、視界が淀む。そして、ついには意識がなくなった・・・。
そんな暗闇の中、軽いけども重く足音が響く。その音は移動しており・・・途中で無くなる。そのすぐ近くには出入り口。
その扉を駸邪によって開けられ・・・倉庫から出る際に、彼はこの言葉を残し去った。


「・・・悪いね。・・・暗闇でも・・・俺は・・・はっきりと見えるんだよ・・・」



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あきゅろす。
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