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エシホ学園の日常
善は急げ
あれから、数十分。
期間を決めれば、お嬢様も納得されると考えた駸邪は、次にどれくらいの日にちにしようか思案する。
・・・そんな時、扉の方から鉄を擦った鈍い音がしてくる。駸邪はそれに気付き、ドアの方を向く。すると、執事服を着た壮年の男性・・・サトウがドアノブを掴んで、開いていた。
サトウはそのまま扉を静かに閉め、駸邪の方に向く。
[駸邪、お嬢様から伝言を預かってきた]
[伝言ですか?]
一体なんだろと疑問が頭の中に浮かび、駸邪は無表情のまま聞く。
[お嬢様からの命令だ。夏休み中は暇を与える。以上]
サトウはそれだけを言うと踵を返し、そのまま部屋を出ていく。
対して、駸邪はその言葉に一瞬耳を疑い、固まる。


暇を与えるという事はその中、執事としての仕事はない。つまりは、休み。


なんとか、そこまでの考えに至った駸邪。次になんでこんな命令をと思ったが、それはすぐに思い当たった。『サブミッション』の件である。

(・・・時間を与えてくれたのか?)

キャリンの言葉の真意をそう推測する駸邪だが、すぐにこれは好機と思い直す。なぜなら、これで主に時間の許可を貰う必要が無くなったからだ。
そして、善は急げ。駸邪は早速ダン・ノール将軍の所へ向かおうと立ち上がり、無駄に広い部屋から出るのであった・・・



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あきゅろす。
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