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エシホ学園の日常
帰国
蒼く広がる青空の中。
白く大きな空飛ぶ乗り物・・・飛行機が交差する。乗機している人々は観光客、帰国者、仕事等々。
その中に、ファーストクラスという乗り物の中とは思えないほど、広々とした空間に、ある一人の十代の女性の貴族と二人の男女の使用人がいた。
ピンク色のドレスを着た少女は丸い厚い窓から空の下を覗き込む。その青い瞳に映るは身覚えのある街並み・・・自分の生まれ故郷。
それに、少女はひそかに微笑む・・・










◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆












[とうとう帰ってきましたわ、我が祖国フランスに]
[約四ヶ月ぶりですね]
手続きを済ませ、外に出ようとするキャリンお嬢様一行。その中で、長い時間を待たされた貴族は安心したようにフランス語で呟き、笑みを見せていた。
それに対し、駸邪は日本に来たばかりの時に、゛日本にいる時は日本語で話す″という命令を思い出す。そして、今回は゛フランスにいるからフランス語″と主に合わせて、無表情で流暢に返す。
[早いものですわ。まるで、フランスから出たのは昨日の事のよう」
[しかし、旦那様にとっては四ヶ月以上の気持ちでお嬢様を待っていると思います。もう迎えの車は来ていると思いますので、早くお顔を見せてあげましょう」
駸邪がそう言ったと同時に一同は空港の外に出る。そうして、その眼前には黒い車と・・・燕尾服を着た、黒髪の彫りが深い皺を持った男性がいた・・・



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あきゅろす。
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