[携帯モード] [URL送信]

エシホ学園の日常
不届き者
「それにしても、何だったんですの?先ほどの者は。」
「不届き者としか言い様がございません。」
夕食を終えたお嬢様一行は校舎を出て、寮に向かっていた。
駸邪が考えた献立のおかげかキャリンは多少なりとも落ち着いているが、まだ奨に対して怒りを覚えていた。
「これから、またあの者みたいな失礼な方がいるかもしれない所で食事をしなければならないというのが嫌ですわね。何か方法はございませんかしら・・・・・・・・・そう」「お嬢様。」
キャリンがまたとんでも発言をしようとする時に、メイサが声をかける。
「確かに、そのような失礼な者がいる場所で食事をするのは不愉快極まりないです。ですが、ここは学園。しかも、今までフランスでお通いになっていた学校と違い、いろんな方がいます。これを機にそのような者達がいる場所で食事をし、交流を深めるのも良いと思います。もちろん、先ほどの失礼な者がいましたら、お嬢様には一切近づけません。」
「・・・メイサがそう言うなら、そう致しますわ。まぁ、わたくし自身も庶民がどのような物を食すのか興味はございますし、観察するのも良いですわね。」
メイサの意見を素直に聞いたキャリンはさっきまでの不機嫌な顔はなく、にこやかな表情で言う。
駸邪はそれを見ながら
「・・・それでは・・・今日は早めにお休みし・・・明日の入学式に・・・備えましょう・・・。・・・眠気は・・・難敵でございますゆえ・・・。」
「そうですわね。貴族であるわたくしがあくびという、無様な姿を晒すわけにはまいりませんわ。」
キャリンはその言葉に返答をしていると、いつの間にか寮に着いていた。
そして、そのまま中に入り自分たちの部屋に向かうのであった。



12/54ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!