[携帯モード] [URL送信]

エシホ学園の日常
食堂
自分の部屋に入った駸邪は、その後ベッドに寝そべりながら休息を取り、少し時間が経ったら、懐中時計を見るという動作を何回か繰り返す。
そして、六回目の確認をすると

(・・・五時半か。・・・もうそろそろ・・・行く時間だな・・・。)

そう思った駸邪は、ベッドから起き上がり、六時に食堂に着くというキャリンの命令を遂行するため、部屋を出る。
扉を開けて閉め、次にお嬢様の部屋のドアに近づき、迎えの言葉を述べる。
「・・・お嬢様。・・・そろそろ・・・行く時間でございます・・・。」
数秒後、扉が開きキャリンが出てきて、メイサがドアを閉める。
「それでは、参りますわよ。」
「「ウィ、モン スェイグナァ。」」
お嬢様の言葉に反応した二人はその後、執事が玄関の扉を開けキャリン、メイサ、駸邪の順に部屋を出る。

寮を出たお嬢様一行は食堂を目指して歩く。
噴水の所まで来ると、今度は右に曲がり奥に進む。
そして、校舎に着くとそのまま中に入る。
すると、通ってきた道には人は全然いなかったのに、建物の中はごった返しになっていた。
その人達を少し見ると日本人を初めヨーロッパ系、アフリカ系、アラブ系など沢山の人種がエントランスホールに集まっていた。
「ふむ。世界中から生徒を集めているだけあって、色んな方がいるのでございますわね。」
「さようでございますね、お嬢様。」
二人がそんな会話をしているのをよそに、駸邪は時刻を確かめる。
六時まで五分前。
少し急がなければならない。
「・・・ここまで・・・沢山の人が・・・いましたら・・・食堂が・・・混むかもしれません・・・。参りましょう・・・。」
駸邪がキャリンにそう言うと、彼女は頷く。
食堂の場所は階段の向こうにある。
彼は真魔による学校案内の際、予め壁に付けてあった食堂案内を見て、場所を覚えていたのだ。
駸邪はキャリンの反応を確認したら、二人を誘導する。

階段を通り過ぎ、奥に進むと電灯が沢山あるおかげか廊下より明るく広い場所を見つける。
そこは、2M感覚に長テーブルが置かれており、それに椅子が隙間なく並べられていた。
百人ほどの人がちらほら座っていたり、集団で固まっていたりしたが、それでも空いている席があった。
そして、奥に調理場が見えていて、白のコックコートを着ていてコック帽を被っている人が、カウンターで注文を受けているような姿があった。
駸邪はどうやら目的の場所に着いたと思い、内ポケットから懐中時計を取り出し、見る。
「シンヤ。今、何時ですの?」
「・・・六時ちょうどで・・・ございます・・・。」
「さすがは、わたくしの執事でございますわね。時間きっちりに着くとは。」
「・・・恐れ入ります。・・・それでは・・・席に案内致します・・・。」
そう言って、彼は誘導しようとすると・・・



10/54ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!