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エシホ学園の日常
特待生
校舎を出て、裏側に回る。
そこには、広い草原が広がっていた。壁に沿って歩いていると、地面に双眼鏡とM24 SWSが置いてあった。
「それでは、これよりテストを始める。この草原の向こうに缶が五個、置いてある。」
そう言って、理事長は指を差す。
キャリンはどこにあるの?と言わんばかりに目を細めて前屈みになる。
「普通の者では、まず見えない。だが、遠くのものを見る訓練をしている者だったら見える。その遠くにある缶をこのM24 SWSに模したエアガンで五秒以内に撃ち当てるというテストである。キャリンはこれで確認すると良い。」
理事長はキャリンに双眼鏡を渡し、彼女は早速覗き込むと
「・・・・・・見えましたわ!でも、あんなに遠くにあるものを五秒以内に全部撃ち当てれますの?」
「世界に通用するレベルであれば、容易い事である!」
「・・・わかりました。」
そう言って、駸邪は狙撃銃を持って狙いを定める。
キャリンは緊張の面持ちで銃口を見つめ、メイサと真魔はただただ缶がある方向を見ていた。
そして、理事長がテスト開始の合図をする。


「では・・・・・・初め!」





ダァダァダァダァダァン・・・!!!



M24 SWSから五回の発砲音が鳴り、駸邪は撃ち終わると静かに銃口を下ろす。
「おぉ、やりおったな。」
「ふふん、わたくしの執事でありましたら、これぐらい当然ですわ!」
先ほどまで、心配していたのにまるでしていなかったように当然のように言う。
メイサは最初から缶は見えていないのでわからなかったが、キャリンが双眼鏡を目から離した後の反応を見て見事撃ち当てたんだなと理解する。
「ふむ、さすがは我が兄の下で修行を積んでいた事はあるな。・・・では、キャリン・ゴイルとその使用人二人を今日より我が学園の特待生に認定し、学費負担全額無しを認める!」
「ありがとうございますわ。」
理事長から許可をもらったキャリンは、裾を持って体全体で一礼する。
「それでは、我輩からの質問等はもう無しである。明日は入学式であるから、今日はもう寮に行き、体を休めよ。真魔先生。引き続き、案内を頼むぞ。」
「では、君たちが今日から三年間、住む部屋に案内しよう。」
真魔がそう言うと、五人はその場を離れるのであった。



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