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エシホ学園の日常
消えた美緒
「・・・・・・ここで少し待っていて・・・」
そう・・・前を歩いていた美緒が突然立ち止まり振り向いて言う・・・

周りを見渡せば・・・先ほどまでいた喧騒からかなり離れ・・・建物や人もなく、あるのは砂と波打つ海しかなかった・・・

その言葉を受けた美夏はすぐに隣にいる駸邪の様子を確認しようと見る・・・・・・と、彼は何かを探すかのように辺りを目で確かめ・・・終わったのか、駸邪も美夏を見る。表情で自分が何を考えているか伝わるよう彼女に眉をひそめているのを表す。
・・・そして・・・美夏が困ったように助けを求めている顔を見た駸邪は、相手が信用できないと考えている事は一緒ということを彼女から認識し・・・何の目的があってここに連れてきた事を美緒から聞こうと前を見るも・・・・・・


「・・・・・・いない・・・」


美緒の姿がなく・・・右左と駸邪はすぐに周辺を見るも・・・見当たらず、ついそう呟いてしまう・・・。また美夏も・・・駸邪の反応を見て同じ事をし・・・・・・困ったように・・・彼の方を見上げる・・・
「あの人、一体なんなんだろう・・・」
「・・・わからない。・・・怪しいのは・・・分かってるけど・・・」
そう言っては再び駸邪は付近を見回す・・・・・・

特別複数から見られている視線は感じず、様子がおかしいと思う所も無い・・・・・・

特に危機感は無いと考えた駸邪はどうするか思考し・・・・・・すぐに答えを出す。
「・・・まぁ・・・あの人自身から・・・嫌な予感は・・・感じなかったし・・・罠というわけでもない・・・と思う・・・。・・・だから・・・少し待っててもいいと・・・思う・・・。・・・本当に・・・用事が・・・あるかもしれないし・・・」
「駸邪がそう言うなら・・・」
そう・・・しぶしぶながらも駸邪の言葉に美夏は賛同する。そして・・・駸邪はその場に体育座りで腰を下ろし・・・美夏もまたそれに習う。そうして・・・二人が見つめる先は、どこまでも広がる青い海と蒼い青空と・・・燦々と輝く太陽が入った景色・・・。
それに・・・波の小波を聞きながら、美夏は放心したように眺め・・・駸邪も彼女と同じように見晴らすも・・・おもむろに美夏の方を向く。そして・・・・・・ゆっくりと口を開き出す・・・



「・・・なんだか・・・本当に久しぶりだね・・・」



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あきゅろす。
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