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エシホ学園の日常
駸邪の・・・
その場にいた観衆はもちろんの事、駸邪も驚きあのキスしようとしていたマリーもそれを一時止める。そして、すぐに声が聞こえた方向に向く。すると、そこには・・・



「ちょっと、何こんな所でキスしようとしているのよ!!?離れなさいよ!!!」



頭左右に団子形を作り、そこから三つ編みのおさげが肩まで伸びている・・・赤いビキニを着た人・・・・・・恒美夏であった・・・

「あら?恋人同士がキスし合って何が悪いの?」
美夏が顔を赤くし怒っている口調で言うも、マリーは駸邪の首の後ろに両腕を回しますます体を密着させ、目を細め余裕のある表情を見せる。一方・・・駸邪はマリーに接近されているが、それどころではない。なぜなら、日々想いを寄せている美夏が今目の前にいるからだ。しかも、マリーに抱きつかれている状態で。その為、いつも無表情である駸邪だが、今は目を見開き顔面蒼白である。もちろん、心もかなり焦っていた。この状況どうしようと・・・
「恋人同士だからって、何!!?恥ずかしくないの!!?」
「恥ずかしくないわよ、ねぇ、シンヤ♪」
「・・・正直、やめて欲しい。」
マリーがニッコリと嬉しそうに聞くも、駸邪はゲンナリと生きた心地がしてないような表情で言う。すると、美夏は少し眉を上げ驚く。なぜなら・・・自分の想い人、駸邪は嫌がってるからだ。
「ほら、相手は嫌がってるでしょ!?離れなさいよ!!!」
そうと分かったら、やる事はただ一つ。早く駸邪から離れさせて助けるべきだ。そう考えた美夏はこの機を逃さないとばかりにマリーに指差して言う。対して・・・マリーは面白くなさそうに眉をしかめる。それもそうである。恋人(マリーの思い込み)から離れろと言われてるのだから。・・・だが、それと同時にマリーは三つ気付いた点がある。

まず、一つは美夏と駸邪が知り合いであること。理由は彼が彼女を見た途端、表情を変えたからだ。そこは毎日飽きないのか?と言われても不思議じゃないぐらい見ている為、すぐに気付いたのだ。
次に二つ目は美夏が駸邪の事が好きであること。それは、何度も彼から離れるよう言っているのと女の勘ですぐに気付く。
そして、最後の三つ目は・・・

「!?」
その時、美夏は気付いた。マリーが自分の胸を見ている事を・・・・・・そして、美夏も自然に見てしまう。マリーの胸と・・・自分のを・・・・・・そして、比べる・・・


ポヨンとポン


美夏的に音で表せば、そうであった。相手がポヨンで、自分はポン・・・それぐらい大きさに違いがあり・・・・・・マリーもそれに気付いては・・・フッ、と勝ち誇るように鼻で笑うのであった。それを受けた美夏は、ガーン!!と何かに落ちるような感覚を味わいつつショックを受ける。そして、なおもマリーの胸が駸邪の右胸部に密着しているのを改めて見ては・・・悔しさが込み上がり・・・目に涙が溜まり・・・・・・俯く・・・・・・と、次の瞬間に・・・





「駸邪の馬鹿!!!!!」





そう目を瞑り顔を赤くしては腹の底から思いっきり言うと、駸邪達に背中を見せ走って行く。それを見ながらマリーは、やったと喜ぶが・・・・・・駸邪は今までに無いぐらいの精神的ダメージを受け・・・ただでさえ、根暗そうな雰囲気なのにますます顔を暗くさせ、しかも周りの空気をドンヨリとさせる。これにはさすがのマリーも驚きながら引く。何があったのか、よく分からないから・・・・・・すると・・・
「キャッ!?」
「・・・・・・ついてこないで。」
駸邪はマリーに軽い衝撃を与える程度の蹴りで突き飛ばし砂の上で尻餅つかせると一つ声の高さを低くしながら言う。そして、ワイヤーに絡まりながら美夏が走り去った方向の反対側を歩く。
「ちょ、ちょっと!?」
だけども、そう簡単に諦めないのがマリー。慌てて掴んでいるワイヤーを引っ張り駸邪を引き止めるが・・・



・・・ザッ・・・・・・



ビンと伸びきっているのを見計らったのか、狙ったように蹴りでワイヤーを断ち切り・・・上半身は解放され、駸邪は何もなかったように再び歩き出す。そして、後に残るは・・・・・・駸邪を逃がした事に悔しがるマリーだけであった・・・



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あきゅろす。
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