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エシホ学園の日常
由来
「うむ。良い質問である。なぜ、゛元″祖国フランスなのかというと、我輩の祖国は日本だからである!」
そう言われたキャリン達は一瞬で怪訝な表情になる。
「ふむ、理解できていないようであるな。まず、それに至るまでの話をしよう。我輩は軍隊を辞めた後、これからどうするか考えた。その時の我輩の゛世界の動き″の予想はアメリカ、ソ連を中心に世界が回ると考えたのである。実際に、アメリカの資本主義とソ連の社会主義は各国に広まり、どっちが優れているか睨み合いや内戦を起こす国も出てきた。そこで、我輩は考えた。゛これで、世界は本当に平和になるのか?″と。そして、得た結論は゛我輩の教育方針で世界に人材を送り、その者達に託そう″と思ったのである。我輩はもう85である。こんな老いぼれができる事と言えば、何かを教える事ぐらいである。そう思い至った我輩は、学校を作ろうと思い場所を探した。そして、ここ日本の土地を見つけたのである。当時、ここは旧日本軍の軍事施設があった場所であった。戦争が終わった事により、もう使われなくなってしまったがな。そこを我輩は、軍入隊時から今まで貯めていた財産でこの土地を買い取り、学園を設立した。そして、゛世界に通用する色んな分野のスペシャリストを養成する学園″としてアピールし、必要な学科はその道において有名で自分の学んできた事を後世に残しておきたい者を探し出し交渉し、先生としてエシホ学園に連れ出した。また、我が学園をあまり世間に出さない理由は、マスコミやらメディアやらがうるさいからである。それに、生徒の勉学を邪魔したくないのもある。それで、なぜ祖国が日本かと言うと、ここの国に永住するのだからフランスを捨て、国籍を日本に移したからである。だから、我輩は生粋の日本人なのである!」

いや、生粋ではないでしょ。

そう言われた三人は、同時にそれに似た思いをする。
「さて、この学園ができた経緯はこんな所か。次は、エシホ学園の゛エシホ″の由来について説明をしよう。エシホとは言葉の頭文字を取ったもので、゛エ″は『エスプリット』。゛シ″は『シヴィリセイション』。゛ホ″は『ホッメ』。これらを日本語に訳すと『霊文明人』という言葉になる。霊文明人とは遥か古代にいたと言われる古代人でその時代は争いがなく平和で誰もが幸せ。そして、霊文明人の特徴はまずこの世界ではまだほんの一握りいるが、全員身体能力がスバ抜けて秀でている。ちなみに、ほんの一握りというのは武術の世界で言う゛達人″を指す。他には、誰もが神を信仰しており神と会話ができた。だが、そんな時代でも一つ欠点があった。それは、゛物の発展″。今でこそ、飛行機や車やビル等の文明の発達で便利なものがあるが、その時代は何もなかった。なぜなら、誰もが幸せで生活に困っていないのだから、作る必要がないからである。元々、我ら『人』が生まれた理由は神々が住んでいる世界をこの我々がいるこの地上に顕現する為と言われている。だが、それには゛物の発展″が必要不可欠だったのである。そこで、神は人に゛物欲″を与え、例え今の生活に困っていなくても゛もっと、幸せに″゛もっと、豊かに″という思いが出てきて、平和であったその世界は争いが起きるようになったのである。そして、スバ抜けた身体能力を持った者はだんだんと少なくなり、神と会話ができる者はだんだんといなくなったのである。」
「・・・そんな話・・・初めて聞きました・・・。」
三人は少し信じられないという表情をしていて、駸邪が思わず呟いてしまう。
「うむ。なにせ、遥か昔にそんな者達がいたというのは、実はまだ゛説″なのである。我が学園の歴史教師の方が言うには、その真実は遥か昔に失われたという゛ムゥ大陸″につまっていると言っている。ちなみに、霊文明人の名残はこの世界に点々と存在しているのである。例えば、゛ピラミッド″や゛パルテノン神殿″がそうである。あの建造物は今の建築技術から見て建造するのに大変な上に、゛ピラミッド″に至っては20〜30年で建築するのは無理と出ている。その先生の説では、゛霊文明人の力がまだ残っていたからできた″と言っていた。」
「そういえば、゛エスプリット″゛シヴィリセイション″゛ホッメ″って、フランス語でございますよね?」
「うむ、そうである。理由は我が゛元″祖国の言葉だからである!」
理事長がそう力強く言うのを聞いた三人はふと、こんな似た思いをする。

゛未練タラタラじゃないか″と・・・。



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あきゅろす。
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