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エシホ学園の日常
成長
「色々ありましたね。この三ヶ月だけでも♪」
メイサはキャリンの言葉に嬉しさを感じたのか笑顔でそう言う。対して、主は・・・三ヶ月前の事を思い出すかのように前を見据える。
「確かに・・・あれから三ヶ月経ったけれども、三ヶ月前に飛行機に乗っていた自分と今飛行機に乗っている自分・・・少しは成長したのでございましょうか・・・?」
そう・・・呟くように言うキャリンの言葉を聞いた使用人二人はそれぞれ違う表情をする。執事は無表情で、メイドは困ったような笑顔。そんな顔をしていた。そして・・・・・・その言葉を受けた駸邪は考える。この三ヶ月間のキャリンの成長した所を・・・


無茶振りの酷さがなくなってきた・・・
わがままが少なくなった・・・
相手を思いやるようになった・・・


等々が頭に思い浮かんだ駸邪は・・・確かに成長しているなと感じる。三ヶ月前と比べて・・・・・・それをキャリンに言おうとする駸邪であったが、すぐに口を閉じる。なぜなら、下の者が主の成長した所を指摘するのは失礼にあたるからだ。だから・・・そう考え直した駸邪はキャリンが不快にならないよう言葉を選ぶ・・・
「・・・お嬢様が・・・成長されたか・・・どうかは・・・分かりませんが・・・」


「・・・時間の・・・経過と共に・・・人は・・・成長しているかと・・・思います・・・」


「それはつまりわたくしも成長しているという事ですの?」
「・・・成長しない・・・人は・・・いないと・・・思いますので・・・」
駸邪が無表情でそう言うと・・・怪訝な表情をしていたキャリンであったが、その言葉を受けるとニヤッと笑う。
「そう。それなら、良かったでございますわ。」



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あきゅろす。
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