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エシホ学園の日常
帰ろうとした矢先・・・
それからも・・・駸邪はただただ立ち続ける・・・例え誰も来なくても、念のため・・・・・・キャリンに怒られるのを避ける為、生徒が図書館に入らないよう見張り続ける。例え誰一人駸邪の前を通らなくても・・・・・・


・・・・・・どれくらい時間が経ったんだろうか?そう駸邪自身、感じ始める。

今、彼の瞳に見えるのは窓に映る自分とその先にある噴水広場へと続く道を照らす街灯のみで、後は黒。暗闇であった。

駸邪は今何時だろうと考えると同時に・・・結局、誰も来なかったなと思う。あれだけ待ったのにと少し不満を持ちながら・・・。
もういいかと考え、駸邪はそろそろここから立ち去ろうかと思い、左を向いたら・・・ちょうど突き当たりの廊下右側から誰かが出てきて、歩いてくる・・・・・・知恵麻里奈だ。
彼女も駸邪の事に気付いたのか、彼の方に向かうように歩いてきて・・・
「黒騎士さん、こんばんは♪図書館の前に立ってどうしたの?」
ニッコリと嬉しそうに話しかけてくる。それを駸邪は・・・ある事を思い出す。そういえば、麻里奈と図書館で一緒に歩いている際、他の生徒にはしたが、彼女にはもう室内に入れないという説明をする事を忘れていたことを・・・
「・・・命令で立っていました。」
「命令?黒騎士さん、悪い事したの?」
「・・・いえ。・・・もう図書館に入れないので・・・誰も入れないようにと・・・見張りと説明をする為に・・・」
「えっ?入れないの?」
駸邪の言葉に驚いたのか目を見開く麻里奈。それを彼は頷いて返事する。
「・・・はい。・・・麻里奈さんは・・・図書館に用が・・・あったんですか・・・?」
「本を読もうと思って来たの・・・」
「・・・では・・・すみませんが・・・今日は入れませんので・・・また後日に・・・」
駸邪が無表情でそう言うと・・・相手はショックを受けたのか悲しそうに落ち込み始める・・・・・・それを見た駸邪はどうすればいいのか分からず、困り始める。これから帰ろうとした矢先に・・・と思っていたその時・・・・・・


「どうしたんだ?」



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あきゅろす。
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