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エシホ学園の日常
双子
「よく来た。」


理事長の部屋は正面に噴水、体育館、寮、門を一望できる大きな窓。
そして、手前には横長の机と椅子。
それ以外に部屋に置かれているのは、机の隣に校旗なのか旗に人が葉に囲まれていて、右手に剣。左手に本を持っている所を描かれていた。

そんな部屋の持ち主である理事長は椅子に座って、キャリン達に背を向けながら声をかけ、そして立ち上がり彼女達の方に向く。
「ようこそ、我がエシホ学園へ。」
理事長はそう話しかけるが、キャリン達は驚きのあまり声を失う。
なぜなら、理事長の容姿は雪のように真っ白い顎髭を生やしていて、髪も同様の色を持つ。
瞳は快晴の空のような明るい青を持っており、顔つきも体つきもガッシリしていた。
服装は藍色のスーツに藍色のネクタイと白いYシャツだが、その姿はダン・ノールに似ている・・・いや、将軍そのものだった。
「・・・こんな所で・・・何をやっているのですか・・・将軍・・・?」
始めに、声をかける事ができたのは駸邪だった。
そう聞かれた理事長は一瞬きょとんとなるが、すぐに右手で顎髭を撫で、何かを考えるようにキャリン達を見ながら目を細めると
「・・・お主達。もしや、我輩の兄であるダンを知っておるのか?」
理事長がそう言うと、三人は怪訝な表情をする。
そして、駸邪が可能性としてある一つの事を質問する。
「・・・もしかして・・・将軍の双子の弟ですか・・・?」
「うむ。知っておったか。いかにも、我輩はダン・ノールの弟であるジャン・ノールである!」
キャリン達はそれを聞くと疑問が溶けたと同時にあの人に双子の弟がいたのかと少し驚く。
「して、なぜ出身国はフランスとはいえ、我輩の兄を知っておるのか?」
「・・・私の銃の師は・・・将軍だからです・・・。」
「わたくしの父は将軍とお知り合いでございますわ。」
「キャリンお嬢様の執事、駸邪はサバット、大剣の使い方、あらゆる銃の使い方を学ぶ為にフランスに留学し、三人の師を持ちました。その関係でご主人様とダン・ノール様はお知り合いになりました。」
三人の説明を受けた理事長はしかめっ面で駸邪を見て
「駸邪。お主はなぜ『銃』を学びたいと思ったのだ?」
「銃はこれからも戦争の主体として」「戦争の主体は自分の肉体ではないか!!!」
理事長の怒号により、話が中断される。
そして、理事長は実に嘆かわしいというような表情をしながら何かを説明し出した。



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