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エシホ学園の日常
護衛?
駸邪は考える。
どうやって、ここから抜け出そうと。
見た感じ、この女性から離れる事は容易ではない。そう駸邪の勘は言っていた。違うタイプだが、マリーと似ている所があるとも。
それを参考に考えると・・・相手は気に入った人を見つけたら、なかなか離れようとしない女性だと駸邪は思った。とすれば、どうするか・・・・・・と思考するが、思いつかないから困った事である。
次に時間を考える。先ほどから駸邪は図書館に残っている人を見つけたら廊下に出るよう誘導している。それにかける時間は一分弱。しかし、今この女性にはそれ以上の時が過ぎている。それを主であるキャリンが許すかどうか・・・・・・おそらく、そんな時間があるなら図書館退出に使えと言うだろう。なぜなら、彼女が今やりたい事は室内に人がいなくなる事。だから、怒る。それは駸邪も重々理解している。
これらを合わせて考え、今自分がすべき事を思考した執事の結論は・・・・・・










◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆











「黒騎士さんに護衛してもらえるなんて嬉しいです♪」
「・・・別に・・・護衛しているわけでは・・・ありませんが・・・」
駸邪はどう答えればいいか困ったような表情をしているのに対し、女性はニコニコと嬉しそうに笑っている。

あの後、結局駸邪はこの女性と一緒に行動する事を決めた。理由はなかなか離れない、かと言ってこの人で足止めをくらうわけにはいかない。ならば、どうするか。今、図書館内を回っているので一緒に行きませんか?と誘うしかない。断られたら、次の手を考えるしかないが・・・幸運な事に相手は了承してくれ・・・一緒に本を片付けた後に、今二人並んで歩いているというわけである。

「・・・そういえば」
歩きながら・・・無表情であるが、ふと思い出したように言う駸邪。そして、そのまま言葉を続ける・・・



「・・・なぜ・・・あそこで本を・・・散らかしながら・・・読んでいたんですか・・・?」



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