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エシホ学園の日常
変化
その頃・・・駸邪が嫌々ながらも無表情で真剣に『ナイフ術』を勉強しているに対し、キャリンとメイサはというと・・・










◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆











「ねぇ、メイサ?少し聞いてもいいかしら?」


学舎の二階にある右側に位置するホール・・・今、そこにはいくつも並べられた白の丸いテーブルと白い椅子があり・・・それぞれ、ドレスを着た女性、ダブルボタンを着用している男性がそれに座っており、目の前には赤いイチゴが乗ってクリームで彩られてるケーキと鼻をくすぐらせるアールグレイ特有の香りが立つ紅茶が置いてあって、隣にはメイドまたは執事がいた・・・・・・そして、手にボードを持ち、それに何か書きながら・・・全体を統括するように見ている、教科『貴族の生活』の担当シビル・カイン・・・

現在、彼女達はカイン先生から『ティータイム』の評価を受けている。貴族の生活の一つのティータイムを・・・。
評価されている彼らがする事はいつも自分達がしているおやつの風景をカイン先生に見せる事である。それを見た彼女は・・・それを今自分の手元にあるボードに一人一人の評価を事細かに書き、後日渡すのである。褒める所は褒め、直すべき所は直す為に・・・。
今、それの真っ最中で・・・そんな中、キャリンは紅茶の香りを堪能しながら、メイサに声をかけたのだ・・・


「なんでしょう、お嬢様?」
主の声かけに応じるようにニッコリと微笑み、反応するメイサ。それにキャリンは満足そうに口元から笑みを溢し、カップを小皿に戻す。
「最近・・・というより、京都旅行に行きましてから、あなた、笑顔が増えましたわね。何かあったんですの?」
「さぁ・・・私は常日頃笑顔でいるよう努めておりますから笑顔が増えたと仰られてもピンときませんが・・・」
「前までの笑顔は作っておりましたわ。でも、今は心から笑っているんですの。私はそれが気になるんですわ。」
キャリンはそう言いながら、相手の真意を計ろうとわざとらしくニヤリと笑い、自分のメイドの顔を覗き込むように見上げる。それに対し、メイサはなおも笑顔は崩していなく・・・少し小首をちょこっと傾けた後、すぐに戻して口を開く。
「・・・恐れながら、私も少しお嬢様に感じいった事があったんですが・・・」
「へぇ・・・良いですわ。言ってみなさいですわ。」
「お嬢様は前と比べますと謙虚になられたような気が致しますが、違いますか?」
「何を言っているんですの?私はいつも謙虚でございますわ。」
ごく自然に当たり前のように返すキャリンに・・・メイサは含み笑いしながら・・・
「そうでございました。失礼致しました。」
そう一礼し・・・顔を上げた後、お互いの顔を見て、クスクスと笑うのだった・・・



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