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エシホ学園の日常
濃い
絵が展示されている場所・・・廊下の壁に作品が飾られている所まで着いた一行の目に映ったのは・・・人が二、三人とグループが複数あり、ポツンポツンといる程度・・・・・・どうやら、見た限り・・・ほとんどの生徒達は他の作品を見ているようであった・・・。だけど、そんな人の人数など気にしないキャリンお嬢様一行は・・・自分たちの作品がどこに展示されているか探す・・・すると・・・・・・
「・・・あら?」
「あら、レムではありませんの。」
探している途中で・・・レムお嬢様一行に出会う。・・・その代わり・・・・・・
「あら、あなたの執事がおりませんわね。」
「龍虹は今、自分の芸術である『演武』をするために体育館にいるわ。今日一日はそこにいることになるの。」
レムはすました表情で自慢気につるぺったんな胸を前に出しながら、言う。どうやら、自分の執事は演武ができるぞと強調したいようである。どれくらい凄いか、本人は自覚しているか自覚していないかは別として。
「そう・・・で、これがあなたの作品ですの?」
それに対して、キャリンは軽く受け流し・・・レム達の左横にある壁に展示されている作品を見て言う。すると、レムがますます誇らしげに胸を張って口を開く。
「えぇ、そうよ。あなた達と京都に行った際に見た、二条城を描いたのよ。そして、その隣にあるのが麗香の絵なの。」
そう説明されたキャリンお嬢様一行は・・・ただ黙って、その作品を見る。
レムの絵は天守閣を表した作品だというのは分かるが・・・・・・どうにも、全体の色が濃い。そのためか、その絵は何を表したいのかよく分からなかった。だから・・・キャリンはつい鼻で笑ってしまう。それに対して、レムは・・・気に障ったのか、キャリンを睨みつけるが、相手の方が背が高いため、見上げてしまう事になり・・・レムはそれにも悔しさを覚える。
そして、続いて一行は麗香の絵を見る。その作品は・・・早乙女家の厨房をスケッチしたのか、六人の女性がそれぞれ・・・包丁を持って野菜を切ったり、鯛が乗った桶を持ったり、味噌汁の味見をしているのか小皿を口に付けているなどそんな様子の風景が描かれていて・・・・・・色使いは薄く、一人一人あまり目立たないが、レムよりは見やすい作品であった。すると、それを見た・・・メイサはついニコニコ顔から目を見開き、驚いた表情になる。そして、麗香の方を向き・・・
「よく描けましたね。みんな動いていたのに・・・」
「人の動きをじっくり観察すれば、分かりますから。」
メイサが感心しながらそう言った言葉を麗香はニッコリと微笑み、なぜ描けた答える。それを聞いた彼女はなるほど・・・と呟きながら、再度その作品を見る。どうやら、かなり気に入ったようだ。
それを・・・面白くないと感じたのか、レムが眉間にシワを寄せ、不機嫌そうな表情でキャリンに声をかける。
「で、あなたは今は自分の作品を探しているの?」
「えぇ。わたくしの作品というより従者の作品をですが。」
「それじゃあ、私達もついていくわ。あなたの作品はどんな物か見たいからね。」
そんな提案をしてきたレムに対し、キャリンは自信があるのか頬を上げて笑いながら、゛いいですわよ″と了承する。
「では、行きましょう。」
それを確認したレムはキャリンにそう言って・・・彼女と共に歩き出す。そして、他の作品を見つつ、キャリンお嬢様一行の絵を探していくのであった。



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あきゅろす。
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