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エシホ学園の日常
oui, mon seigneur
「嫌ですわ!!!」

キャリンは駸邪が自分の執事になることに対し、嫌がる。
「なんで、あなたみたいな根暗の庶民生まれがわたくしの執事になれますの?他のちゃんとした生まれの者を連れてきなさいですわ!!」
そう駸邪に罵声を浴びせかけると、メイサが
「ですが、お嬢様。此度の執事の件は、ご主人様がエシホ学園の学費を払えないため、逸脱した特技を持つ者と一緒に入学させ、特待生になる為にご用意したもの。ご主人様の狙いはおそらくシンヤのその群を抜いた銃の腕前で学費負担全額なしを狙っているものかと。それに、シンヤは師弟関係とはいえゴイル家に長年仕えていたと言えますし、わたくしやお嬢様に日本語を教えていたという点で執事として選出されたかと思います。残念な事に、シンヤ以外でのゴイル家に仕えていた者に逸脱した特技を持つものはいません。真に申し上げにくいことですが、シンヤ以外では特待生を狙う事は無理でしょう。」
「うむむ・・・。」
メイサの説明にキャリンは唸る。


だけど、こんな奴と学園生活を共にしたくない


その感情でキャリンは駸邪が自分の執事になることを嫌がった。
だが、キャリンは待てよと思う。


あのシンヤを自分の執事にできる。
あの自分の言うことを全く聞かないシンヤが自分の執事になる。
あの私の為に忠実に動かないシンヤが自分の意のままに操る事ができる!


駸邪は度々、キャリンから日本語を教えるよう命令された時はそれだけ従ったが、他は全くの無視!
何か言われた時は即答で断り、全力で逃げていたのだ。
だが、キャリンの執事となる駸邪にはそれはもうできない。
意見を述べることはできるが、それ以外は絶対命令で主の為に奉仕しなければならない。
キャリンはこれから゛あの″駸邪を自分の為にこき使えると思うと、自然に笑みを溢しながら
「わかったですわ。シンヤ。今日からわたくしの執事になることを許可します。これからはわたくしの言葉は゛絶対命令″として聞くように。」
「・・・かしこまりました・・・お嬢様・・・。」
「それでは、早速エシホ学園に向かいますわ。シンヤ。車に案内なさい。」
「・・・御意。」
駸邪はそう答えるとキャリンは歩き出した足を止め、怪訝な表情で
「シンヤ。今の日本語は?」
「・・・今の日本語は・・・゛わかりました″・・・゛かしこまりました″・・・゛了解しました″・・・と同じ意味を持つ・・・言葉でございます・・・。」
「何か優雅ではございませんわね・・・・・・そうですわ!゛御意″の時だけ、フランス語になさい!その言葉の方が優雅ですわ!メイサもそうするように!」
そう命令された二人は、一斉に


「ウィ、モン スェイグナァ」[御意、お嬢様。]


言葉が重なる。
それにキャリンは満足しているのかにこやかな表情で
「それでは、参りますわよ!」
そう言うと、キャリン達は自分達の学舎になるであろうエシホ学園に向かうのであった。


















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