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エシホ学園の日常
人混み
「こちらでございます。」
花凛が振り向き、にこやかに笑いながらお嬢様方一行に声をかける。


全員入浴を済ませた後・・・それぞれ、男部屋、女部屋と別れ、就寝する。そして、朝を迎え・・・・・・ご飯、味噌汁、鱒の焼き魚、大根の漬物という朝食を済ませ、一行はまた京都の観光へと出掛けたのだ。今回は昨日の約束通り、メイサと麗香を連れて・・・・・・ちなみに、例の如く、途中でマリー付きになる。


「賑やかな場所でございますわねぇ・・・」
花凛の後ろになんとか人の合間合間をマリーに抱きつかれながらも駸邪が誘導し進んでいると、キャリンが愚痴るように言う。表情も目を細め苦しさを表していた。

賑やか・・・観光名所でも有名な清水寺に行く途中にある商店街には観光客がお土産買いやお店回りをしている為、人がごった返し。そんな人混みの中で進んでいる一行はただ今、多少人酔いで苦しさを感じていた。

「えぇ、清水寺は有名な観光名所ですから訪れる方の人数はそれはもう・・・」
花凛は一行の人混みの苦しさを理解しているのか、苦笑いを浮かべながら言う。彼女自身もこの混雑している中を清水寺を目指して進むのは辛いものがあるのだ。だから・・・いつもなら、キャリンがこの事に関して文句を言う所だが、異国の地、案内されてる身、そして・・・花凛も苦しい事を理解して、珍しい事に愚痴は溢すが、それ以上のことは言わずにただついていく姿があった。


人が交差する道を・・・なんとか清水寺を目指して歩いていた一行はようやくそれに続く最初の階段に着く。そして、そこは少し人通りが少ないから・・・人混みが多少無くなり、やっと一行は一息つけれる。
「ふぅ、苦しかったですわ・・・。」
「申し訳ありません。後、少し歩けば清水寺なので頑張りましょう。」
キャリンがホッとため息混じりにそう言うと、花凛が申し訳なさそうに眉をひそめながら一行に声をかける。それを受けた彼女達は・・・もう一息かと歩く意欲を示す。そんな様子を見た花凛は、゛では・・・″と足を階段にかけ、上っていく。それについていく一行の中・・・キャリンがふと自分たちが歩いてきた道を振り向き・・・こう呟いた・・・


「・・・・・・・・・綺麗な街並みですわね・・・」



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