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エシホ学園の日常
駸邪のサバット
「あの・・・駸邪さん?」


夕食が終わり・・・明日の予定を花凛が説明し終わった後、彼女がこれから入浴する事を提案し、男と女に別れ・・・先に各々の使用人の主である女性方が入る事になった。それで、彼女達がお風呂から上がるまで男性達は今日からエシホ学園に帰るまで寝床にする部屋でトランプのポーカーをやっていた。


「・・・何?」
疑問を持ったような怪訝な表情で龍虹が話しかけてきたのに対し駸邪はいつも通りの無表情で用事を聞いてくる。
「駸邪さんは一体どうやって誰にも気付かれずにキャリン様の隣の席に着いたのですか?」
「・・・どこから聞きたい?」
「僕達と別れた後・・・」
それを聞いた駸邪はカード二枚捨て、積んであるトランプの上から二枚引きながら、答える。
「・・・まず・・・あの女性を・・・ホテルに送り届け・・・それからまた・・・タクシーに乗って・・・ここの屋敷の前まで・・・戻ってきた・・・。」
「・・・それからどうしたのですか?」
龍虹はそう言いながら・・・いつの間にか拓人も気になるのか二人は駸邪の方に前のめりになる・・・それを彼は気にせず、一言発する。
「・・・塀を乗り越えた。」
「へ、塀を!?」
二人は目を丸くし驚きを隠せなかったか、駸邪から離れ後退りする。そして、拓人がそれに関しての疑問を口にする。
「ど、どうやって、塀を越えたんだよ!?あれ、普通のジャンプじゃ届かないぞ!?」


早乙女家を囲っている塀の高さは約3M・・・彼らの年代ではとてもではないが、乗り越えれないのだが・・・


「・・・その普通の・・・ジャンプでないジャンプで・・・乗り越えた・・・。」
駸邪は淡々と当然のように無表情で答える。これには拓人も驚きで口が塞がらなかった。・・・その時、龍虹が次の疑問を駸邪に問いかける。
「そ、それじゃあ、どうやって誰にも気付かれずにキャリン様の隣に?」
「・・・塀を乗り越えた俺は・・・周りの状況確認して・・・皆がいる部屋を見つけた・・・。声でね・・・。・・・それで・・・堂々と入ったら・・・キャリンお嬢様が・・・お怒りになられるから・・・皆の意識と・・・お手伝いさんの動きを・・・見て・・・その部屋に・・・気付かれる事なく・・・入れるタイミングと・・・キャリンお嬢様の・・・隣の席に皆の意識が・・・逸れている時を狙って・・・入った・・・。・・・だから・・・誰にも・・・気付かれずに入れた・・・。」
駸邪が説明を終えた時・・・二人は信じられないと分かる表情で・・・駸邪のその行動に凄さを感じつつも若干疑いの目で見ながら・・・引いていた。それに対して、二人の反応を見た駸邪は目を細め怪訝な表情で口を開く。
「・・・どうしたの?」
「いえ・・・一体、どんな事をしたら、そんな事ができるのかなって・・・・・・」
駸邪の言葉に龍虹は心の中で思っていた事を恐る恐る言う。すると・・・駸邪はまた無表情に戻り、その疑問に答える。


「・・・俺はサバットっていう・・・フランスの武術を・・・フランスで・・・修行していたんだけど・・・普通のサバットと違い・・・俺の師の仕事の都合上・・・暗殺用に改造されてる・・・サバットを・・・教えてもらった・・・。・・・それで・・・修行の際に・・・ターゲットの家に・・・忍び込む時の行動を・・・叩き込まれたから・・・身に付いた・・・。」



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あきゅろす。
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