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エシホ学園の日常
選択肢
ワイヤー・・・・・・またはブレードワイヤーで別名『繊維』と呼ばれる現代社会になくてはならない物。主にスーツ等の服、帽子、防弾チョッキ、命綱等々・・・日常生活、建設、軍事では欠かせない物である。普通は人の命を守る為に使われる・・・・・・が、便利な反面・・・人の命を奪う事もできる。それがワイヤー。主にトラップや暗殺に使われる。
ワイヤーの利点は丈夫で切れにくく、糸と同様に扱える。だから、服等に使われる。理由は簡単にボロボロになってしまえば、その都度その都度また買い直すもしくは作り直さなければならないからだ。それでは、効率がかなり悪い。だから、人々はもっと上質な物を求め・・・ワイヤーが作られたのだ。だが・・・・・・それと同時に殺しの道具にもなったのである。普通の目では見えにくく・・・肌の感触は蜘蛛の糸より触れた事に気付くにくく・・・簡単に肉を分断できる武器に・・・。
それを完璧に扱えれば、部屋にいる人間を全員細切れにする事はもちろん、普通に歩いていても走っていても、辺りを警戒しながら進んでも・・・その人は張られたまたは体に巻き付けられた事に気付くことなく死んでいく・・・ワイヤーによって・・・・・・。
マリーは・・・元傭兵である彼女はそれの使い手で・・・二つ名の『見えない死神』はその現役時代に付けられたのだ。音も無くターゲットを暗殺するその姿に・・・。そして、駸邪は・・・三年前、マリーが狙ったターゲットであり・・・見事、彼女と戦い勝った唯一の人間である。これは彼の銃の師である゛魔弾の狙撃手″ダン・ノール将軍の訓練メニューのおかげで生き残ったのだが・・・これはまた別のお話で。


「・・・あれから三年か。・・・三年も経っているのに・・・どうして・・・未だに俺の事が・・・好きなの・・・?」
「もう♪駸邪ったらあの時、私にプロポーズしたのに忘れているんだから♪」
駸邪は眉間にしわを寄せ嫌そうな顔をしていると、マリーは三年前の事を思い出しているのか両手で顔両横を抑え恥ずかしそうに頬を赤くしながら言う・・・・・・だが・・・・・・
「・・・・・・・・・」
駸邪は恥ずかしがっているマリーを見ながら思う。俺、そんな事言ったか?っと・・・
「・・・・・・とりあえず・・・俺は・・・帰らなきゃいけないから・・・帰らしてよ・・・。」
「ダ〜メ♪今日はダーリンの彼女である私と一緒にいる日なの♪さぁ、部屋に入りましょ♪」
マリーは相手に向かって、両手を広げ゛抱きついてきてアピール″をするが、駸邪は絶対に行きたくないとすぐに顔を帰る方向・・・エレベーターに向けるが、その先はワイヤーが張られ・・・行けば゛死″であった。
今、駸邪は二つの選択肢を迫られていた。それはまさに・・・


『生か死』


゛マリーと一夜共にする″という『生』の選択か゛体を犠牲にして、魂だけ帰る″という『死』の選択か・・・・・・駸邪からしてみれば、どちらも嫌だった。でも、選ばなければいけない。どちらかを・・・・・・そして、駸邪は頭の中で選択肢を選び・・・マリーに再び顔を向ける。それを見た彼女は自分に抱きついてくれると思い、顔を嬉しそうにニッコリとしながら、キスをする準備までをする。だが、駸邪はその場を動かず、こう言い放った。


「・・・それじゃあ・・・第三の選択肢を選ぶ・・・。」



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