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エシホ学園の日常
任せた
お出掛け組の一行は本邸を出て、花凛を先頭に門に向かう。そして、門外に出ると先導していた彼女は振り向き、全員いるか確認する。
「・・・皆さん、いますね。それでは、京都を一望できる場所にご案な」「シンヤーーー!!!」
・・・・・・と、その時だった。突然、門から出たばかりの駸邪に横から金髪の女性が彼に抱きつく・・・・・・その胸の谷間を駸邪の左腕に押しつけながら。それに対し、駸邪は心底嫌な顔をしながら口を開く。
「・・・マリー・・・なんで・・・ここが分かったの・・・?」
「京都駅で駸邪が来るの待って、そのままついていったのよ♪」
マリーのストーカー紛いの返答に嫌悪感丸出しの表情をする駸邪。そんな彼女の行動に驚いてか・・・周りの人は目を丸くしながら固まっていた。・・・・・・すると、そんな一行に近づく姿・・・首元にスカーフを巻き、日傘を差した女性と青いTシャツの上に白い半袖の服を来た男性が駸邪に抱きついているマリーに近寄る。・・・・・・桜華とシヴァである。その姿を確認した駸邪は助けてという視線を送る・・・が、二人とも苦笑い。まるで、゛任した″と言うような表情・・・・・・・・・と、駸邪は確信した。そして、それを表すように彼は普段あまりしないというよりなかなか見れない顔・・・二人を睨む。その瞳に゛覚えてろ″と込めて・・・。そんな駸邪の珍しい反応に二人は涼しくほくそ笑んだ後、シヴァがにこやかな表情で花凛に話しかける。
「はじめまして。駸邪の友人のシヴァ・バイラヴァだ。こっちは天宮桜華であっちがマリー・ヤーグ。よろしく。」
「あ、はじめまして。早乙女花凛と申します。」
「で、突然で悪いけど、京都で行った方がいい観光名所はどこかな?初めて来たけど分からなくて・・・・・・」
シヴァは後ろ髪を掻き、困っていると分かるしぐさをしながら聞く。対して、最初こそ戸惑ったもののすぐに落ち着きを取り戻した花凛は頭を少し横に傾け、斜め上の方に目を動かして考える。
「行った方がいい観光名所ですか・・・特に、どのようなものを見たいのですか?例えば、芸術とか歴史等がありますが・・・」
「そうだな・・・日本文化をより知る事ができる観光名所だな。」
「であれば、祇園がよろしいかと思います。あそこは舞妓さんの作品や芸妓さんのお茶立て、それに能楽が見れますから日本文化に触れ合うのでしたらうってつけです。」
「そうか、ありがとう。それじゃあ、早速行ってくるよ。」
「えぇ、是非楽しんでください。」
花凛が微笑みながらそう言うと、シヴァはそれに一礼する。それをした後、駸邪に向かって゛それじゃあ、また″と別れを告げ、二人は離れて行く。・・・・・・マリーを残して・・・
「・・・マリー。・・・シヴァ達と・・・一緒に行かないの・・・?」
二人に手を振っているマリーに、駸邪が迷惑そうな顔をしながら言う。すると・・・
「だって、私はシンヤと一緒にいたいんだもん♪」
マリーは駸邪の左腕を掴んだまま、彼の顔を上目遣いで見ながら言う。それに対して・・・駸邪は寄っていた眉間のしわがますます濃くなる。゛マジかよ・・・″と言わんばかりに。それを知ってか知らずか・・・おそらく、気にしていないというより違う事に解釈していると思うが、マリーは晴れやかな嬉しそうな表情をしていた。
「・・・で、では、行きましょうか。」
若干戸惑いながらも新たに人数が一人追加された事にすぐに対応し、そのまま何もつっこまずに安心させようと笑顔で言う花凛。それに対して、駸邪は゛気にしないんだ・・・″と少し不機嫌そうにこちらも眉間にしわを寄せているキャリンをチラッと見ながら思い、何かを諦めたようにため息をついて皆と一緒に歩くのであった。



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あきゅろす。
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