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幻想
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「ほんっと何も分かってねえみたいだから一から説明してやるけどな、世界ってのは一つじゃないんだぜ。いくつもの世界の集合がこの世を成しているんだ」

世界は一つではない。
これまた愁莉にとっては驚愕の新事実だった。また神登は世界の数だけ龍神がいると告げた。その中でも始祖が神那であり、愁莉たちの世界だという。全ては神那が始まり、俺たちはまあ言うなれば息子みたいなもんと神登は続けた。

「では龍神様の方が神登様よりお年を召しているのですか」

見た目神那の方が神登よりも断然若いのだ。愁莉には不思議でならなかった。

「神那のあれは本当の姿じゃねえよ。今のあいつは……」

神登に暗い影が掛かる。
愁莉は緊張した面持ちで次の言葉を待った。だが次に出て来た言葉は全く違うものだった。

「そもそも俺が神那に会いに来たのはその件でなんだ」



龍神は永遠の命を持って生まれてくる。病も老いもない。しかしそんな龍神でも死はあるという。精神の死。肉体的病がない代わりに龍神は稀に精神的病を負うことがあるらしい。しかもそれが今の神那である、と神登は語った。





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