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幻想
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「俺がそんなに気になるか」

茶目っ気溢れるような感じに述べられた。愁莉は全てを見透かされたような気がしてドキッとした。

「今なら何でも答えてやる」

そう言った神登に愁莉は恐る恐るだが疑念を口にした。
貴方は何者なのですか。
龍神様との関係は。
龍神様について何か知っているんですか。
母を、知っていますか……?



愁莉は自分で自分に驚いていた。
思わず口から出てしまったことだが、厚かましかっただろうか。逆鱗に触れやしないだろうか。愁莉は窺い見た。

「ぷっ、はははは、そっか、お前何も知らされてねえのか。っと悪い悪い」

目尻の透明な液体を指で拭う仕草をして神登は優しげに……と言っても彼に取ってのことだが……愁莉の疑念に答えていった。

「何から話せば分かっかな……。まあ俺のことから言うけど神那と似たようなもん。龍神様だけっ?それそれ。あいつから比べればまだまだひよっこだけどよ」

驚愕に目を見開いた。愁莉にとって龍神の存在は唯一無二なもので他に在るものとは思わなかったのだ。
それからの神登の話は愁莉にとって新境地だった。








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