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お題 2 「まだまだこんなんじゃアイツの相手なんか務まらねえぜ、マナ」 椅子から立ち上がり俺の顔を掴んで上を向かせるアンタ。口づけを交わすまで顔を近付けてきたアンタの口から出たのは俺………マナのことではなくアイツのこと。 何から話せばいいだろう………この俺が置かれているこの非現実的な世界のことを。 架橋 真那と俺が出会ったのは二週間前。俺はアンタの第二次型クローンとして生まれた。第二次型クローンは本体から形質を含んだ遺伝子と人間を形成している性格とか好みとか記憶だけを採取して製造された。 何故このようなものが製造されるかと言うと、言うならば置き土産だそうだ。重大症状患者が自分が死んだ後寂しくないようにその家族の為に発明されたのが最初ならしい。 それから何年も何年も改良され第二次型クローンが完成した訳だ。まあそんなことでアンタは俺の本体さんってことだ。 俺は目が覚めたときからアンタと一緒の記憶を共有していた。アンタの幼かった頃のことは勿論今に至るまで何でも知っていた。 そう………アンタが後三ヶ月の命だってことも。 ［前へ］［次へ］ [戻る]  |