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お題
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「兄者、兄者だけを心からお慕い申していた」

イリスの純潔が散らされたのは、突然のことだった。
絶頂まで後少しというところで男性器の愛撫を焦らされ悶々としていると、それまで中で蠢いていたセファイドの指が一瞬のうちに抜き取られ、代わりに別の、熱くて硬い塊を押し付けられた。
そしてその言葉と同時に捻じ込まれたそれは、セファイドの男性器だった。
指2本とは比べものにならない程の大きさに、イリスの身体は悲鳴を上げた。確かに、指2本を咥え、愛液を流していたとは言え、未発達だった女性器である。それくらいの愛撫で、成人した男性体の男性器を迎え入れるのには無理があった。

「ッツ……!ぬ、抜い…くれ!……抜いてくれっ!」

渾身の力で叫んだイリスだったが、その拍子に女性器に力が入ってしまい、余計にセファイドを感じることになってしまう。決して破瓜の血だけではない血が、男性器を咥え込んだそこから流れていた。

「――ッ!……やはり……キツイな」

イリスの決死の叫びを無視し、セファイドは自分をも襲う痛みに顔を歪める。どんなにイリスが叫ぼうが、どんなに自らを締め付け、痛みを感じさせようが、セファイドは止めるつもりはなかった。イリスの女性器が自分の男性器を迎え入れ、破瓜の血を流している。その事実に、比べようのない高揚感をセファイドは感じていた。
そんなセファイドとは打って変わって、イリスは己を襲うこれまで感じたこともない激しい痛みに暴れ出したくて堪らなかった。しかし先程セファイドに掛けられた力のせいで、行動が制限されていてできずにいた。
痛みにただ声を上げるしかできないイリスを余所に、セファイドはなかなか緩まらない女性器に痺れを切らせ、強硬手段に出た。

「アーッ!ぐあーッ!ッ止めっ……!!!」

指の挿入時とは比べものにならない身を引き裂かれるような痛みが、イリスを襲う。
無情にもセファイドが律動をし始めたからである。
下から突き上げられる動きに、イリスは自分が串刺しにされているように感じた。
ギリギリまで開かれたイリスの女性器は、例え愛液で濡れていたとしても、セファイドの動きについて来られるはずもなかった。周辺の肉を巻き込むようにして中に入っては、外に出て行くセファイドの動きに、イリスはただただ痛みしか感じられずにいた。
そんなイリスとは反対に、こんな苦しい律動の中でもセファイドは確かな快感を追っていた。徐々に動きが激しくなっていき、零れる息も荒々しくなっていく。

「兄者っ……兄者っ………!」

何度もイリスを呼んでは、イリスの脚を両手で支えながら下から突き上げる。
上は鎖で拘束され、下はセファイドの手でM字開脚に固定されながら、イリスは痛みに唸った。

「幾度…夢見た…ことかっ……!……やっ、と……叶うっ……!!!」

興奮も最高潮に達したセファイドは大きく腰を引いたかと思うと、次の瞬間に強く腰をイリスに打ち付けた。

「「――――――っ!」」

イリスとセファイドの言葉にならない声が互いの口から発せられた。
セファイドからすれば、それは絶頂の咆哮であり、イリスからすれば、それは己が体内で何かが爆ぜた感覚に対する嫌悪感への叫びであった。

射精の感覚に暫し、セファイドの動きが止まる。
一方イリスは、先程まで痛みで叫んでいたのが嘘かのように静まり返り、ただ無気力に空を見ていた。最早泣き叫び過ぎて、疲れ切っていたイリスには何かを言う元気さえなかったのだ。

「……兄者…」

荒い呼吸を整えたセファイドが漸く動き始めた。
どこか一片を見ているイリスに口付けを交わしながら、萎えたものをイリスの女性器から引き抜く。すると音を立てて、忽ち白濁色と赤色が混ざった液体が流れ出した。






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