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お題
籠の中







「んっ、はあ、はあ」

生理的な涙が僕の視界を奪う。
呼吸もし辛く、頭の酸素不足で意識も朦朧としてくる。理性なんてとっくの昔に無くなって、今はただ目の前にいる男に縋るしか出来ない。
それが喩え、どんなに憎い男だったとしても。

「咲夜」

「ひっ、ああ」

男のハスキーボイスが耳に響くと伴に、胸に痛いくらいの快感が起きる。女としての役割を果たせないはずのそこは、卑しくも男に弄られれば真っ赤に膨れ上がる。
男の舌の赤さと相俟って、非常に卑猥に感じる。舌で乳首を転がすようにして弄び、時折思い出したかのように歯を立てる。その刺激に男を締め付けてしまうのが分かる。まじまじと感じられる男の性器に、気持ちが悪くなる。

「お前はここが本当に好きだな」

「はあ、はあ」

「ここに、ルビーでもあしらったピアスを付けようか」

「っ……ヤっ…」

この男ならば本当にしそうで恐ろしかった。

「ふっ」

僕の拒否に男は鼻先で笑い、律動を激しくさせた。

嫌だ。

嫌だ。

また中に男の精液を出されてしまう。子どもを孕めと、吐き出される。

気持ち悪い。

キモチワルイ。







ダレカボクヲココカラダシテ。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あとがき

「籠」の暗黒時代の話です。
京丞さんったらベッドの上では結構雄弁だったのね!そう言えば籠のベッドシーンを書くのは珍しいです(もしや初?)
久し振りに籠でも書こうかと思い書いた話ですが、籠の短編ってエロかあまあましか書けません。選択肢があまりなく書きにくい作品であります(短編が)



20090802
(20080922 ブログ掲載)





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