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お題
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燦々と照らし続ける太陽と、その熱を吸収し蜃気楼を成しているコンクリート。
手持ちの旅行バック一つを持ち、僕は街中を歩いていた。
花村 修に真実を告げられてから一ヶ月。体調は完璧に回復し、僕は修さんの知り合いの家を訪ねることにした。あれから一ヶ月も経ってしまったのは、パスポート発行の手続きに戸惑ったのと、季節外れのインフルエンザに僕が掛かってしまったからだった。
本当、やっとここまで来たのだ。修さんから知り合いには連絡がいっており、僕が訪ねることは予め知っている。僕は手渡された地図を眺め、街外れの海岸沿いの丘を目指した。

漸く、仁に会える。



心は踊るばかりだった。





知り合いの家に着いたのは夕方になってからだった。優しく僕を出迎えてくれたのは日本人夫婦。英語に自身がない僕はひと安心してしまった。
早速家の中に通された。
部屋に案内され、荷物を置いた。日本人夫婦は修さんから本当の事情を聞いていないようで、“知り合いの息子が海外にホームステイをしたいらしいから預かってくれない”と伝えられたらしく、ゆっくりしていってね、と話してくれた。





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あきゅろす。
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