拍手お礼小話集
もしもシリーズD「promise」
もしもセイがケーキ屋さんだったら……。
“ぼくはしょーらいぜったいけーきやになってやるんだ”
“フフッ。なら私に世界一美味しいケーキを食べさせてくれるかしら、セイ”
“まかせてよ”
そして時は流れ……。
「よーし!今日も張り切って世界一美味いケーキを作るぞ!」
俺はラシュベル・K・セイ。ケーキ屋の老舗ラシュベルのパティシエ17代目だ。ある人物に世界一美味いケーキを食べさせる為に日々修行に明け暮れてる。
「今日も精が出るな」
「いらっしゃい……ませ」
今店に来たこの男は、ダガー。近頃毎日からかいに来る超迷惑な奴。おまけにこいつ、神聖なるキッチンにまでズカズカと入り込むから厄介だ。営業妨害も甚だしい。
「っと、新作か」
今日も勝手にキッチンにまでやっ来て、出来たばかりの新作ケーキを上から眺める。
「ん……まだまだだな」
「ちょっ!!何勝手に食ってんだ!!」
なんと俺が丹精込めて作ったケーキを食べやがった!しかも言うに事欠いてまだまだかよ。
「世界一にはまだ遠いな……」
「か、か、帰れーーー!!」
本当に何なんだこいつは。いつもいつも俺の邪魔ばっかして!!……でもこいつの舌は格別だ。こいつはこう見えて、味覚においては右に出る者はいないと言われる種族の出だ。悔しいけど、俺のケーキはまだ世界一には遠いんだ。
「また明日、セイが愛情込めて作ったケーキを食べに来ることにしよう」
「来るな!!」
これからいつもと変わらぬ日常が始まるのだ。
おわり
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