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短編
いまどき高校生事情




金がない。
これ以上に重大なことがあるだろうか、いやない。
学生さんはお金がないとはよく言ったものだ。正しくその通り。
俺、梨元 康則は今もトキメク高校生!やっとこさ受験シーズンを終え一息着いて高校生活をエンジョイしようとしたところに、この財布の軽さ……どこにも遊びに行けねえぜ。

んな訳で今バイト探し中。
でも中々いいバイトが見つからなくてよ、どうしたものか。で、今日も俺は金とバイトを求めて徘徊している。

「あ〜割のいいバイトねぇかな」

自給九八百五十円以上の高校生バイトってなかなかねえもんなのかな…やっぱり。そうしてツラツラなるままに歩いてっとゲーム屋の前を通りかかった。外のショウウインドウを見ると、新作ゲームの宣伝プロモが流れている。

「おお!!これもう出たんだ〜。欲しかったんだよね〜」

いや、厳密に言うと現在進行形で欲しい訳なんだけど。値札を見ると八千円とでかでかと書かれていた。

ポッケから財布を出して中を見ると、小銭が二百と四十。どうやったとしても到底買える筈がない。

「はぁー…」

肩を落とし、大きな溜息を着く。
やっぱ金だよなー世の中…。
なんか高校生にして世の無常さに直面しちゃったって感じ。

「なあ、いいバイトする気ない……?」

バッと後ろを振り返る。
俺に言ったんだよな、今の!

「マジ…?」





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あきゅろす。
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