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ごちゃまぜ
特別訓練(k*八田)甘



「八田さんって本当に女子苦手ですよねー」


頬杖を付きながら
ダルそうに話す隣の席の
名字 名前は
最近入った新人の、女だ。



「わ、わゎ、わりぃかっ!!?」


「いえ。

大変そうだなーって思って」


他人事のように言って
手元にあるジュースを
全部飲んでしまった。


「まー、八田もこれで
苦労してんねん」

「へー」

…んだよ。その言い方。
興味ないってことか?

チクリと胸が痛んだ。

「あ、そうだ。

なんなら
特訓しましょうか?」


「は?」



「お、それええな!
頼んだで、名前ちゃん!」



「ちょ」



「はーい」


尊さん並みに
マイペースなコイツ
は、俺の手を引いて
歩き始めた。


「ちょっ、お、おおお、おまっ!」

「緊張しなくても
大丈夫ですよ。」


ふわりと笑った。

なんか、胸が熱くなった。
てか、手が熱い…
手?……!!

「お、おまっ!手!手っ!」

「あーこういうのも駄目なんですね」


でも、特訓なんで。


と、言うこいつに
従いつつ特訓する自分に
なんだかやりきれなかったが
不思議と悪い気はしなかった。




つか、
普通に町中歩いてるけど
周りから見た俺達は
どう見えるんだ?



兄妹?
友達?

それとも

…恋人…?


「八田さーん」



「っ!!

な、な、なんだよ!
急に話し掛けるんじゃねぇ!」


「すいません

てか、
怒るなら八田さんが
なんか話して下さいよ。」



「はっ、話!?」



「だって、

さっきから
八田さん、考え事ばっかりして
私暇なんですもん。」


暇だからかよ…
と、心のなかで突っ込んだ。


「なんでもいいですよ

質問でもいいですし!」



俺が、コイツに聞きたいのは…







「お前、俺の事どう思ってんだよ。」








「え?」



…何言ってんだ、俺っ!!?






「八田さんの事、ですか?」



歩く足を止めて
驚いている名字。

そりゃ、
いきなり驚くわな…



「いや!やっぱり今のっ…」


「好きです。」









え?


今度はこっちが
驚いた表情になった。




なんつった?今…




「とか、言ったらどうします?」


「び、ビビらせんな!馬鹿っ!」


ははは、と笑って誤魔化す
コイツをみると
ちょっと勿体なかった、
とか思った。



「っ!」


なに、思ってんだよ…俺…




「そうですよねー、

まだ、早かったですね。」



「!?」



それは、どういう意味だ?





「じゃ、まず手始めに

私のこと、名前で呼んでみて下さい」




「っ!?」



期待しても、いいのか?




「これも、特訓なんで。」




緊張して
彼女の名前すら
まともに呼べない。





その意味を知るのは
まだまだ先になりそうだ。





〜End〜

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あきゅろす。
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