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ごちゃまぜ
それだけで(mg*シンドバッド)切甘










今日は
八人将が
南海生物を
獲ってくれたから
大宴会、マハラガーンが
行われた。

王国が一つになって
開かれる大きな祭りで
皆楽しそうに
飲んだり食べたり踊ったりしてる中、





一人の女だけは…






ぶすーっ
「……」





怒っていた。







「…どうした、名前」



無表情で近づいてきた
大きな男、マスルールは
両手に大量の料理を持っていた。



「……別に。」



何かなければ
こんなに不機嫌には
ならないのだけれど。

あえてその理由は
聞かなかった。



「…食うか…?」



隣に腰掛けて
料理を差し出されると
お礼を言って食べ始めた。




すると、今度は
酒の匂いをプンプンさせた
シャルルカンがやってきて
マスルールの向かいに
腰かけた。


「お、よく食べてんなぁ!
名前!」



ハハハハッと
素敵な笑顔で笑うけれども、
喋ると広がる臭いに
眉を潜めた。


「うっさい!!
てかお酒くさっ……」

「…じゃ、俺はこれで…」


いつも無表情な
マスルールも
この時は
嫌そうな顔をして
どこかへ行ってしまった。

逃げたな、アイツ。


「ま、あんなもん
見せられたら、
そりゃ、大食いしたくもなるか…」


「……」


視線の先には、
大量の女性に囲まれ
イチャイチャしてる
我が王、シンドバッドの姿。



視線を反らして
料理を食べ終えると
シャルルカンは
ニヤリと笑った。



「…なに?」



「いや?

ほんっと、
お前って王様好きだなーって思って」


「っ…」



自分でも分かる。

きっと私の今の顔は真っ赤だ。



「…酔っ払いのくせに…」


「はいはい。」



慰めてくれてるのか
頭をなでなでされた。

ま、仕方ないよね、王様だし。










「随分と楽しそうだな。」







!!


「あ、王!」


「シャルルカン…」



顔を上げると
さっきまで女を
とっかえひっかえしてた
はずの王がいた。


「じゃ、後はごゆっくり〜」



シャルルカンが席を立ったのと
入れ替えに隣に座った。



「…女の子達、いいんですか?
さっきまで仲良く
楽しそうだったのに。」



嫌味っぽく言った。
てか嫌味だよね、これ。


「あぁ、
アイツ等は
もういいんだ。」


「ふーん。そうですか。」



内心は
王の隣に座れて
嬉しいのに、
可愛い言葉の一つも言えない。


「なんだ、

妬いてくれたのか?」



「ち、違う!」



そりゃ残念だ。


と聞こえて
シンドバッドの
方を向くと
珍しく
真剣な顔つきになっていた。







「俺は、妬けた。」







格好良くて
息を飲んで
やっと出た、
可愛くない言葉。



「…何に、妬くのよ」





「頭をなでられてただろう」

「…それだけで?」


自分はどうなんだと
言うのを引っ込めて
首を傾げると
優しく微笑んだ。


「それだけでだ。」







なんだか
私も笑えてきて
シンドバッドも笑ったから、
それだけで
不機嫌なんて
どっかにとんでいってしまった。







〜End〜

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あきゅろす。
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