姫と執事の話 7 見上げたままのリーシャが、目をパチクリとさせる。 「……なにか反応がもらえないと困るのですが」 「だって――」 「ちなみに、どんなに優しいといっても、こんなウソは言いませんよ」 「じゃあ、ほんとのことか?」 「はい」 「あとで、取り消す、なんて言っても聞いてなんかやらないぞ」 「はい」 「……信じても良いんだな」 「信じてもらえないと、死にたくなるくらいに悲しいのですが」 「じゃあ、信じる」 それからしばらくして、ウィンドベル王国中に、王女リーシャの婚約が発表された。 相手は、王女が幼い頃から側で執事として使えていた男らしい……。 [*前へ][次へ#] [戻る] |