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姫と執事の話
ひとつ・後編
 国王への伝言を済ませたアリアが戻ったとき、リーシャはベッドで横になり、上からかざされた手でもって異常がないかレイに調べてもらっているところだった。

 レイはかざしていた手を降ろし、ふうと息をついたところでアリアの存在な気付いた。


「すみません気が付かなくて。戻っておられる頃だろうと思って様子を見に来たんです」

「それで……?」


 アリアが心配そうな顔を向けると、安心していいと微笑んだ。


「大丈夫ですよ。どこにも異常はありません」

「よかったぁ」


 ほっと胸を撫(な)で下ろす。


「それで? このあとはどうなさるんですか? たしか研究交流会の日程は七日間でしたよね」

「はい。ですが我々はただついてきただけなので、明日の朝にでも、国に戻ろうかと」


 “この件”に関しての責任は姫ぎみにあるので、とこっそりと耳打ちされた。

 レイは同じ立場にあるサンジェスよりも、主(あるじ)には厳しい。

 アリアは、分かりました、と苦笑気味に頷いた。




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