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 そんな感じで練習が中断されて騒いでいるところに、


「もう、何か騒がしいと思ったら……やっぱりサボってるじゃない」


 うわさの“華澄先生”が顔をのぞかせた。

 すかさず高橋が華澄の元へ進み出る。


「すみません。浅葱先輩が来てくれたんで、つい……」

「え……?」


 そのときはじめて、一馬は彼女と目が合った。


「どうも」

「え……今日用事があるって」

「思ったよりも早く終わって時間が空いたからさ、その――」

「先生に会いに来たそうです!!」


 大きく片手をあげた伊藤が答える。

 とたんに一馬は真っ赤になってしまい、あわててそっぽを向いた。

 コホン、と咳払いをする。


「えっと、その……まぁ、そういうこと」

「そう。仕事、あと一時間くらいかかりそうなんだけど、もし大丈夫なら車で待っててもらえるかな」

「わかった」


 とそばまで行くと、ポケットから取り出した車のキーを手渡される。


「じゃあ……残りもがんばって」

「ええ。ありがとう」


 渡された瞬間に、ほんのすこしだけ手をにぎると、にっこりした笑みを返された。

 手が離れると、華澄は改めて教室内を見回し、


「あなたたちも、もう帰りなさい。この様子じゃ、今日はもうまともな練習にならないでしょうし」


 と高橋に目を向ける。


「それじゃあ、今日はここまでにします。お疲れ様でした」


 高橋に続いて部員たちが華澄に、お疲れ様でした、と一礼した。




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あきゅろす。
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