版権作品
がんばれ自分!!
私立ひびきの高校のある日の放課後。
校門前まで来ていた浅葱一馬(あさぎかずま)は、かるく伸びをして、
「全然変わってないけど、卒業から二年もたつとやっぱり懐かしいのな」
ふう、と息をついた。
腕時計で時間を確認する。
「この時間なら、まだ部活中のはずだよな」
何の約束もなしにいきなり訪ねたら、驚いてくれるだろうか。
「……“華澄(かすみ)先生”か」
口にしたそれが、どこか背徳(はいとく)的な響きに感じてしまうのは、一馬の恋人である麻生(あそう)華澄が、彼が三年生のときの担任であったからなのだろうか……。
(あの頃は必死だったよなー)
と思いながら足をふみだした。
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