版権作品
2
「勝手に動くなゆーたやろ」
「だってユーシ。うち、天使さん見つけてんねんもん」
「天使……?」
ルナが指差す方向にユーシが顔を向けると、石に腰かけた男がツイと顔をそむけた。
一瞬だけ合った澄んだ空色の瞳に、心臓をわしづかみにされたように感じた。
ルナの月色の瞳も綺麗だと常々思っていたが、こんな感覚は初めてだ。
「な、天使さんやろ。だって、あないにきれーな目ぇしとるもん」
「ああ……」
「でな、天使さんおなかへっとるみたいなんよ」
「せやったら――ほれ、これでなんか買ってきぃや」
ついでにオレらも昼メシや、とコインの入った袋をルナに手渡す。
ルナは、わかった、と少し離れた所にある茶屋まで駆けて行った。
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