版権作品
であい
――ちーあきっ。
「……まこと? ――ふがッ!?」
朝一番。
目覚めたばかりの少年の目の前は、白一色。
それと同時に聞こえてきたのは、不機嫌そうな少女の声。
「起きんかバカもの」
「……なんだ。お前か」
顔に押し付けられた枕をどかしながら、身体を起こす。
(アイツなわけ、ないよな)
と思いながら苦笑していると、少女は不機嫌そうな顔をさらに歪めた。
「悪かったですねぇ〜。“愛しのマコトちゃん”じゃなくて」
「いと……!? ――ってちげーよ!」
真っ赤になりながら叫ぶ少年に、少女はイヤミったらしく片頬を上げた。
どうやら、勝負はついたようである。
少女は満足そうに微笑んだ。
「まっイイや。それより、早く行くよ」
「……どこに?」
枕を、今度は投げつけられた。
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