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倒れるならこの腕中へ【ダンウォ・ハルアラ】
『倒れるならこの腕中で』
俺は今、お前にそう言いたい。
オーバーロード。
脳を極限に活性化することにより、LBXとの一体化が可能になる。
これをうまく扱うことができれば、ジェノックの戦力として利用できる。
しかし、幾らそんな高い能力に目覚めても、代償がないということは、恐らく今の世界には1つもないと思う。
オーバーロードの発動後は、言葉に言い表せない疲労と頭痛に見舞われる。
今のアラタには自分でコントロールすることができないため、糖分の摂取を余儀なくされた。
今日のウォータイム前の、チョコレートを食べていたアラタの表情はとても見ていて苦々しかった。
…恋人である俺には辛く厳しい現実である。
そしてオーバーロードを発動し、現在に至る。
「アラタ……」
「落ち着け、ハルキ」
元々心配性な俺は、常にアラタのことを見てきたつもりだった。
気にしたつもりだった。
思ってきたつもりだった。
だが、それはあくまでも「つもり」でしかない。
完璧なものではない、いわゆるハリボテなものだった、ということだ。
ずっと「つもり」でしか見ていなかった俺には、アラタを支えるものがあるのだろうか。
自問自答を繰り返し、出てきた最終的な答え。
それが、どんなに微力なものだとしても、アラタを守るにはこれしかない。
そう感じた。
倒れるならこの腕中へ。
いつでも受け止めてあげるから。
倒れるならこの腕中へ
title:目眩のお題15
(漢字変換できず申し訳ございません。)
配布元:月とサカナ
http://snao.sakura.ne.jp/odai.htm
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