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今日も明日も願い事【HQ・影日】
2人はオフの日を使って、都心にある大型ショッピングセンターに来ていた。
普段ではない休みのため、頻繁に消耗してしまう、サポーターや、テーピング用品などのバレー用品を中心に買った。
用事も済ませ、これからバレーの自主練でもしようかと近くの公園に行こうとしたときである。
「なぁ、あれやってこーぜ!!?」
日向が指差した先は、七夕コーナーだった。
短冊に自由に願い事を書き、備え付けの笹に付けるという、どこにでもあるコーナーだった。
本当はすぐにでも練習を始めたかったが、泊まりもある訳だし、とあっさり諦め、コーナーに向かった。
*
短冊とペンを貰ったものの、全く願い事が思い付かない。
バレーは願い事に頼らず、自分で掴みとりたいと思うし、勉強は頼りにしても無理だとわかっていた。
そうなると願い事なんぞ、思い付かない訳で。
ふと、日向を見る。
既に願い事は決まっているらしく、すらすらとペンを走らせている。
願い事が叶って欲しい、という小さい子供のうきうきしたような日向の笑顔に目を惹かれる。
「____あ、思い付いた」
*
「できたーーー!!!」
「俺もできた」
お互い、どんなことを願うのか、2人で短冊を見せ合うことにした。
「…えっと、おれはね……これ!」
日向の差し出した短冊には、『小さな巨人になれますように』と最も日向らしい願い事が書かれていた。
「おれ、絶対に小さな巨人になる!!」
「おー頑張れー」
「ひどっ!!?もっと応援してくれよぉ…!」
「あ?応援してるだろが」
頬を膨らます日向に煽られながらも、ボゲェと悪態付けて影山は返す。
「…そういう影山こそどうなんだよ!!」
「俺か?俺は………」
すっと渡された短冊には………
『日向の笑顔がたくさん見られるように』
「……お前が願い事書いてる姿、かわいかったから」
あのうきうきした笑顔を見て、守ってやりたくなった。
そして、たくさんの笑顔をずっと見ていたいと思った…
そう呟く、影山。
少し目元が赤く、はにかんだ笑顔を見せた。
「……っ!!」
滅多に見せない影山の笑顔に、日向の鼓動がとくん、と上がった。
やがて、ぶわっと顔を赤くした日向は一言。
「かげやまの………ばかっ……///」
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