君の声。
3
その後はテーマ以外に寄せられたメッセージを読み、最後の曲が流れて、終盤に差し掛かり。
『そろそろ終わりの時間が来てしまいました。テーマに関わらず、リスナーの皆さんからのメッセージをお待ちしてます。パーソナリティはサワタリソウタでした。それではまた。』
そうやって、三十分間が終わった。
「あーあ、終わっちゃった…」
ツグミはふとラジオを思い出し。
「好きな人…か」
机に突っ伏し、考え込んだ。
そしてツグミはある決意をした。
机の引き出しをごそごそ漁り、便せんを取り出す。
「き、緊張する…」
ラジオ「SeeYouFRIDAY」に手紙を書くことにしたのだ。
もちろんあのテーマで。
月曜日、学校へ行く途中でポストへ手紙を投函し、ポストに向かって祈った。
(採用されますように!)
「ツグミ?何、ポストに向かって祈ってんの?」
そんなツグミに声をかけてきたのは、学校の友達の八尾充(ヤオ ミツル)だった。
「おはよ、充」
「ああ、おはよう。で、何やってんだ、こんな所で?懸賞にでも応募したか?」
「ん〜、秘密」
八尾は「あっそう」と素っ気ない。
二人は肩を並べて学校へ向かった。
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