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僕の初恋の初恋。
右肩下がりな恋模様(2)


今日は金曜日。

あぁ・・・休みたい。
けど、不思議と休みは休みたいときにやってこないものだ。

最近変わったことと言えば一つだけ。
部活の先生が気を利かせて、僕の様子を見に来るようになったことくらい。多分、顔の腫(は)れに気づかれたんだろう。

あぁ、先生優しいからなぁ・・・。
けど。
正直なところ、放っておいてほしい。
“敢(あ)えて聞かないけど困ってることあったら言うんだよ”オーラが痛い。
先生、頼むから見なかったことにして下さい・・・。



部活の終わりを告げるチャイムが耳を掠(かす)めて、筆を置いた僕は校舎を振り返った。
どうしよう、これ、まだ渡せてないや・・・。
ポケットの中から取り出した封筒がカサリと音を立てた。
・・・どうしよう。



悩んだ末、結局。
彼に渡すことにした。
第一あの子に申し訳ない。

渡り廊下を通って、スタスタと彼が居る東館へと向かう。
すれ違う部活帰りの集団に驚き、緊張が走って思わず俯(うつむ)いた。
途中、その中の一人と肩をぶつけてしまう。



「ッてぇなぁ!」
あ・・・ヤバイ─────郷田くんだ。

「ごっ、ごめんなさ」
「あ?聞こえねぇな・・・黙ってないでなんとか言えよ、ゴラァ!」
掴みかかってきたその手に胸ぐらを乱暴に揺すられる。その様子が周りの生徒の視線を一気に集めた。

こうなるともう止まらない。
殴られる覚悟を決めて、僕は目をきつく瞑(つむ)った。

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