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僕の初恋の初恋。
それは突然で、強引だった(2)


固まる僕の方に、ゆっくりと近づいてくるその目は、あのとき屋上で見たものと同じ。全てを見透かしたような、冷たい視線─────まるで獲物を捕らえたオオカミだ。



「手ぇ、震えてる。ねぇ・・・もしかして、
図星?」
彼が浮かべたその笑みが、僕の視線を絡め取る。静かに震える手とぐらぐらと揺らぐ足元に思うように力が入らない。
突然伸びてきたその手に、肩をきつく掴まれる。慌てて振り解(ほど)こうとするも、もう片方の肩も掴まれて、視界がぐらりと揺れた。

「ッ!放してっ」
「応えなよ」
「・・・っ」
「何も言わないんだったらさ、好きにさせてもらうよ?・・・いいの?」
彼の細く長い指先が少しずつ服を脱がせてく。息つく間もないくらい手慣れた様子で一つ、二つと制服のボタンが外された。



「─────ぁッ!っ、ん・・・」
直後、露(あら)わになった素肌を濡(ぬ)れた感触が撫で上げた。確かめるように、上から下へとゆっくりとなぞられてく。
その度に零(こぼ)れ落ちる吐息すらも逃すことなく、それは的確に僕の身体を攻め立てる。
一度口元を覆ったところで、すぐに彼が両手を外しにかかってきた。逃げ惑(まど)うそれを、あっさりと脇について囲われる。重みでベッドが深く沈んで、ギシと音を立てた。
真上から見下ろされて、心臓がバクバクとうるさい。



「可愛いことしてくれるじゃん。ねぇ、輝智くんさぁ・・・とりあえず一回ヤっとこうか、ね?女の子みたいに抱いてあげる。始めっからそのつもりで来たんでしょ?」

再び彼の舌が胸を伝って、突然に降りてくるその感覚に、腰がみっともなく跳ねた。
「こんな、ゃ、だ。やだっ・・・あッ!」
拒絶を口にした瞬間、痛いくらいに乳首を摘(つ)まみ上げる。
ノーと言わせないとでも言うかのように、しつこくそこを弄(いじ)られた。嫌だ嫌だと声を上げてみたところで何も変わらない。それはむしろ、自分を追い込むことになるだけだ。



「案外聞き分けの良い子なんだね」

違、う・・・違う。
僕はこんなことがしたかったわけじゃない。
違う、違うんだ。ただ・・・
ただ彼に気づいてもらえるだけでよかったんだ。
こんな、こんなのは違う。
だって。これじゃあ、まるで・・・。



「・・・お、願い、します。やめ、て、ください、こんな」
「こんなって何?まだ何もされてないくせによく言うよ」
そう言って、彼は不機嫌そうに内ポケットの中から何かを取り出す。軽く歯で封を切ったところで、身体の中心へと降りてく。

「ふぇ・・・?な、に─────



─────やあぁッ!」
一瞬生暖かい感覚が後ろから押し寄せて、狭く閉じた壁を一気に擦(す)り上げた。突き刺すようなその痛みに、全身が痺(しび)れて思うように動けない。

「気分はどう?痛い?痛いよね。だって痛くしてんだもん」
「お願い、します。やめっ」
「やめないよ?これ、好きでしょ?」

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あきゅろす。
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