[携帯モード] [URL送信]

兄弟のはなし
揺れる想い(3)


Tシャツを剥(は)ぎ取るその手にも、ズボンを引っ張り下ろすその手にも、容赦なくオレは脱がされた。

こんな秋人、オレは知らない・・・。

直後、固く閉じた両膝を割って、間に顔を伏せてく。
内腿をくすぐる髪が敏感な箇所を掠(かす)めて、ビクと身体が強張った。
力の入らない身体を起こそうと、必死に足をバタつかせようにも、膝を抑え込むその手が緩むことはなく、内股を強く吸い上げられる。



「やあッ!秋人・・・ぁッ、それやだぁ」
伸ばした手で黒髪を掴んで引き剥(は)がそうとするも、オレを攻め立てるその口が止まることはなかった。

先端から溢(あふ)れ出てきたそれを、丹念に舐め取るその度に腰を浮かせてく。
浅い呼吸で繰り返し上下する肩。次第に薄れていく意識。そんな中、懸命に息を吸い込む口端からは、透明な糸が伝った。



「ぁッ、ん゛!放し─────ん、ふぅッ」

吐き捨てたそれは、最後まで言葉にさせてくれない。
口を塞ぐだけの荒々しいキス一つで抵抗はすぐに止(や)んだ。そのことを合図に、秋人はオレの敏感になった箇所へと再び手を伸ばす。
片手で優しく握って、裏筋を指の腹でなぞってく。溢(あふ)れ出てきそうなそれを塞(せ)き止めるのが、今のオレにできる精一杯のことだった。

もう、ムリ・・・。



「─────あッ!やあッ、め・・・ぁッ」

躊躇(ちゅうちょ)することなくオレのものを口に咥(くわ)え込んで、喉の奥で先端を締める。
手を伸ばして必死で放そうと、気づいたら秋人の頭を掴んでいた。
いくら引っ張っても執拗(しつよう)にオレを攻め立てるその口が離れることはなかった。

情けない悲鳴を上げて、ぐったりとした身体が、そのまま正面にある広い胸の中に倒れ込む。

遠のく意識の中、オレの両腕が秋人の背中に回されてくのを感じた。
そのまま両膝を押し開いて、下から軽く身体を持ち上げてく。
頭が回らない中、されるがままになっていた自分に気づく余裕なんてなくて。オレはだらしなく開いた口で呼吸を繰り返しながら、ぼんやりと視線を彷徨(さまよ)わせていた。

瞬間。
ビクン、と身体が跳ね上がる。
下から迫(せ)り上がってくる感覚に、思わず両手で口を塞いだ。

「これ、聞こえる?」
そう言って、わざと中を掻(か)き回すみたいにして厭(いや)らしい水音を立たせてみせる。
しばらくしてから抜き取られたそれは、透明な糸を引いていた。



「─────やああッ!」
直後、一気に突き上げられて駆け上がってくる快感に、背中が大きく仰(の)け反った。

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!