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オレら停滞期。
リア充なるか?


待ちに待った休日はやってきた。
念願の熟睡に浸りたいとこだけど、そうは言ってられない。いつもながらのバイトだと偽って、最初に向かった先は最寄りのドラッグストアだ。
ずらりと並んだ商品を一通り見渡すが、どれも同じに見える。とりあえず二つを手に取り比べてみようと箱裏を確認するも。細か過ぎる詳細に混乱する始末。
こういうのはまさの担当だからわかんないよぉ。どうしよう・・・。

堂々と隣で商品の裏を確認しに来た男性がレジに向かった。
横目で彼が手に取った商品を見たオレは、とりあえず同じ物を購入した。



これでよし!
紙袋を片手に、オレのお気に入りのローション、以前にまさが絶賛してたワインとそれからようやく貯まったバイト代でペアリングを購入して、一旦昼食を摂るために小さな喫茶店に入った。

遅い昼でもやっぱ女子が多いなぁ・・・。
注文が出てくるまでの間、オレは頭を伏せて仮眠をとることにした。



「それがさぁ、優(まさる)くん情報なんだって!」
「えっ、マジで?本人から?ってことはめっちゃチャンスじゃん!今夜電話しなよ!」
二つ隣で笑う女子の言葉に呆然とするオレは、食事に手をつけることなくレジに向かった。二人の会話が繰り返し頭の中で流れる中、唇をグッと噛み締めて店を後にした。



「おい、マジかよ」
「・・・」
「来るなら連絡ぐらいしろよなぁ」
俯いたままのオレを見て、呆れながらも家に上げてくれる人といったらいっちゃんくらいだ。

翌朝になると、何度も着信があったから一回顔を出すよう促されたが、結局クリスマスの前夜までいっちゃんにお世話になった。

「あのさぁ」
「もうちょっと泊めて!お願い!」
両手を合わせて頭を下げるオレを横目にいっちゃんは言葉を続けた。
「いやぁ〜、そうじゃなくて・・・
オレの寝室にケータイ置いとくなよ。
あと着メロなんとかしろ」

言われるがままにケータイを確認して居座りを試みた。



最後まで粘(ねば)った結果、家に戻ったのは10時過ぎだった。いっちゃん曰(いわ)く、野郎と二人きりでクリスマスは迎えたくないそうだ。現にオレもそうだから納得して出てきたものの、
やっぱ帰りたくねぇ〜・・・。

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