オレら停滞期。
放置プレイかよ。
繰り返し重ねられる柔らかな感触に浸っていると、まさの熱い手のひらが躊躇(ちゅうちょ)することなくシャツの裾を捲り上げて、ズボンの中を這っていく。
「ん!ま、待てって!」
オレの言葉に耳を貸すことなく、追いかけてくるまさのキス。いくら顔を逸らしても追いかけてくる柔らかな唇は気に留めることなく首筋を辿って軽く吸い上げてく。
「あっ、痛いって。まさ・・・!
やめ──────」
ソファに放置されていたまさのケータイが流行りの曲で着信を知らせた。
瞬間、ピタリと止まった大きな手のひらに体が強張る。
「・・・で、出なよ」
「何で?」
じりと見つめてくるまさの熱い視線からオレは乱暴にそれを外した。
「いいから出なって」
「・・・はぁ」
小さなため息を吐き捨て、ケータイを手にまさはリビングを後にした。
あっぶねぇ〜。ずっとお預けだったからまさかヤるとは思わなかったからゴム用意してなかったぁ。
はぁ〜、惜しいことしたなぁ・・・。
翌朝、バイト帰りにいっちゃんに一日分バイトを代わってもらう交渉に成功した後、オレはさっそく計画を練り始めるが、
・・・・・・・・・あれ?
待つこと3日。その間はまさの方から誘ってくることは一切なくなり、進展は軽く触れるだけのキス止まりとなった。
不満を抱えたまま布団に入り、まさが寝に来るまで待っていると、ケータイ片手にベッドに潜り込んでくる。
「おやすみ」
ケータイで光るまさの顔をぼーっと見つめると重い瞼(まぶた)が次第に下りていく。
──────ピコン。
・・・ん〜
──────ピコン、ピコン。
ん〜
──────ピコンピコン、ピコン。
あ゛〜、寝れるか!
「なぁ」
応答なし。
まさの顔を覗くと、既に夢の中だ。
はぁ〜・・・。
結局、第一波は2時まで続いた。
ようやく寝れると思って熟睡体勢に入るも、ニ波目が4時にオレを叩き起こす。
今更驚きはしないが、それは起床時間まで鳴り続けた。
「あ〜、しんどい・・・。」
昨夜の着信音はマジないわ。
店頭のカウンターに頭を擦り付けるオレは今日もバイトだ。
「そのテンションでバイト来んなよ」
なんだかんだ言って昼までバイトを共に組んでる同僚も隣で話し相手になってくれる。
「気晴らしにみんな呼んで飲みにでも行くか?」
「金貯めたいっつってんのに使ったら意味ないじゃん!」
「逆ギレかよ・・・。まぁ、飲みたくなったら連絡して。この前の代わりにお前の奢(おご)りで飲むつもりだから」
「ありがと、いっちゃん!オレはマジ友達に恵まれてるよぉ!」
ぼそぼそといっちゃんが注文のメモを取る様子を気に留めることなく抱きついた。
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