ゆぐどら(仮)
□東奔西走A
そんなこんなで月日は立ち
バラバラ、と各々用事が終わって館に戻ってくる
そんななか、キョウが館に戻って来たのは出かけてから三ヶ月後の事だった
「おしっ…早速だがお前ら!棚卸始めっぞ!!」
帰宅して早々に向かうは、皆が居るであろう広間
バンッ!!、と盛大な音を立て扉を開き中で寛いでいる輩に言い放った。
「はい、先生ー!」
シュタッと手を挙げるのは先ほどまで寝ていた、エアームドの空灰
何だ、と目で先を促すキョウ
その手には今だ旅行用カートが握られている。
「──お前んが帰るの遅いから、8割方終わっちょるばい!」
我先にと家を出、後から出掛けた他の者たちよりも帰宅が遅く、棚卸予定日は当に過ぎている。
「殆んど儂らがやった!マスターが居らんでどうする!」と、使っていた枕をキョウに投げつけた。
「あ、そう?さんきゅ」
が、余裕に避けられた上に反省心など微塵も無かった。
「───で?
残ってんのは何だ?」
荷物を一旦部屋へ置きに戻り、皆が座り一席だけ空いている席に向かう所謂、王様席と謂う場所だ。
「それなんだが…」
キョウが席に着いたのを見計らってか、ウインディの風焔がまとめた書類らしき物を持ち、話を切り出した。
風焔から渡されたそれ、に目を通す
「…………(°Д°)」
「…(怒)」
「……痛〜〜ッ!?」
「キヒッ……マスターうぜェー…」
「何してはりますのん 阿呆ちゃいますか…」
「風焔…。それどこから出したんだ…?」
呟いた乱舞の目先には、もう一度キョウの頭に振りかざそうとしている、ハリセンが握られた風焔の手元だった。
「〜〜ッ何すんダヨ、風!!」
「いや、な…何かムカついたから殴っただけだ(笑)」
ごもっとも、…横に居る奴が嫌いな奴だろうと今だったらこの巫女戯たマスターだろうが館主だろうが、協力プレイで仕留めにかかる所だった。
せめて声に出すか感嘆府を使って驚いて欲しかったものだ。
「まァええわ…話戻そうぜ」
「マスターのせいだけどな」そんな呟きは綺麗にスルーして…もう一度、渡された用紙に目を通す。
ペラ
ペラッ
「───────、……ねェ。
俺が居ない間に“制限なし食べ放題”なんてやったの誰だい?」
パラり、パラり
数枚あるその用紙を捲り静かに言い放つ
コソ
コソ
「ちょっ…キレちゃったけど!?」
「言わん方が良かったんじゃなか!?」
「そしたら余計に後々バレた時危ないですよ?」
「ここは正直に…」 コソコソ
「『俺が食べました』言うた方がええと違うんか?乱舞…」
「はぁ!?俺なの!?」
コソコソ
乱舞を筆頭に馬鹿げた言い合い(─基、紫煙と空灰の乱舞弄り)をこそこそ、と始めた。……多分キョウに聞こえない様にだろう…。
そのキョウの隣に居る俺には丸聞こえなんだが…、アイツ等は分かっているんだろうか?
紫煙と空灰…そこに甲斐まで加わった事に色々ヒートアップしてしまってるが、キョウ本人も気にしていないし、俺も止める気にもならない
「──はぁ。そう言う訳じゃない」
「じゃあどうゆう訳??」
アイツ等を思うと自然とでてしまう溜め息が一つ、
もうすでにコソコソ話になってない(+話反れてる)言い合いをBGMに俺は館を留守にした間に起きた“謎の消失”をキョウに説明するのだった。
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2011.01.20
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