小説 短編
陰陽師とゲロ袋。
「今日は、諸君にプレゼンをしたいと…思う!」
阿部は堂々と宣言した。
「ぁ、あの〜…」
「ん?、なんだ大江さん。」
「どうして、このおかしな集団に私もいるんですか…。」
「なにを言っているんだ、大江さん、俺らはもうファミリーだ!」
「Σなっ…ちょっと待ってくださいよ!!阿部さん!!」
そこに割って入ってきたのは太郎君だった
「ん、なんだ君か。俺達はもうファミリーだろう。」
「何時から僕達家族になったんだよッ!!」
「まぁ…うるさい太郎君は置いといて…だな。」
「Σなんでだよッ!!」
「今日諸君を集めたのには、
理由があるんだ。」
「まぁ、理由無しで呼ばれたら私だってかないませんし…
それで、なんですか?」
阿部は待っていたと言わんばかりにニンマリと笑った。
「「Σ気持ち悪い」」
↑
太郎\大江(心の叫び)
「…時に大江さん、急に吐き気に襲われたら…どうする?」
「そりゃまぁ…、トイレに走りますけど……。」
「だが、しかしそこにはトイレが無いッ!!大江さんならどうする!」
「どうするって言われても… 我慢する…んじゃないですか。」
「いや、だけど、…
またしても耐え切れないほどの吐き気がry」バシッ!!
太郎君の空手チョップを喰らってしまった。
「しつこいよッ!!それに女の子にそんなこと聞いても困るだけだろッ!!」
「あ、いや。ただ純粋に意見を聞きたかったんだ…」
「まぁ、いいですけど。
最終的に何が言いたいんですか?」
「そうだ、そこで。
コレなんだけれども」
ガサガサ…ッ
阿部は二人の前に黒い袋を置いた。
「「……?」」
「阿部さん、これなんですか?」
先に口を開いたのは大江さんだった
「いいか、それはゲロ袋だッ!!」
「「Σ!!?」」
「名付けて、
陰陽師袋!!」
「ネーミングセンスもねぇー」
「今年流行りの黒を取り入れたんだ!」
「取り入れたって言うか袋自体真っ黒ですよね…これ。」
大江は力無くため息をした
「って言うか、そもそも突然嘔吐するやつなんて、阿部さんぐらいしかいませんよ!」
「黙れ黙れ…。」
「それにこんな真っ黒な袋持ち歩きたくないですよ…可愛いくないし…。」
「なんか逆に不気味ですしね」
「…………黙らっしゃい!!」
「えぇΣ!!?急にッ」
「まぁとにかく、売りたいんだ!」
「はいはい…、
それにしても阿部さん、真っ黒なんて可愛いくないですよ!」
「ん、そうか。そうだな…」
「あ、じゃあ。
阿部さん、仮にも陰陽師ですし幽霊柄なんてどうですか?」
「おい!幽霊って言うな!!」
「あ、そうでしたね。」
「太郎君、今後一切それを口にしないでくれ。」
「え、はぁ…」
「じゃあ、幽っ…お化け柄にしてみましょうよ。やるだけ無駄ですけどね。」
\
「出来た!!」
大江は袋の端と端をもって広げた。
「大江さん、何気に裁縫うまいんですね。」
「阿部さんは結局なにも手伝いませんでしたけど…ね」
(あー、我ながらホント綺麗に縫えたなぁ。私、その才能があるのかも…)
「よし、じゃあ。
これを売ろう。」
ガチャ
「ニャンパラリ〜阿部、仕事が入ったぞー」
戸から入ってきたのはニャンコさんだった。
はらり。
「「あ。」」
ニャンコさんがもっていた
写真が宙に舞い阿部の前に置かれた。
「……Σ!!??!?」
「Σあ、阿部さん!!」
「おぅえっぐぇーうぇあぇっΣ!!うぇおぅえっ!!」
「阿部さん、大丈夫ですか?」
「お化け
めっちゃ恐い((゚Д゚ll))!!」
「阿部、すまなかった。
不注意だったニャン」
「あ、あぁ、でも大丈夫だ。
このゲロ袋があったからなッ!!」
「Σ!?…
私が一生懸命作ったのにッもういやぁーッ!!!」
バタンッ
「あ、大江さん。…何やってるんでかぁー、阿部さんは、まったく。」
「うぇっ…、俺は何かしたか?ゲロ袋だからこそ、役に立ったんだ。」
「Σえ、ままぁ確かに…」
完
これはリア友からのリクエストでした(笑)
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