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バカ達の奇妙な冒険
旅立ち



「皆!」

 いきなり倒れた4人に驚いて近寄る。そして、見てしまった。袖から伸びる緑色の蔦の様なものを。

「まさか。」

 恐る恐る、服を脱がして背中を見ると4人の体から植物が生えていた。しかもこれはただの植物じゃない。透けてるし、ボクには触れない。

「隠者の紫(ハーミット・パープル)!」

 スタンドで触れる事が出来た。やはりこれは4人のスタンド。

「………明久がスタンドに目覚めていた時点で可能性は考えていた。DIOがスタンドに覚醒した。その影響でホリィさん達までスタンドに覚醒してしまった。
だけど、スタンドは闘争本能で操るもの。…この4人に無縁なものだ。操れないスタンドは呪い(マイナス)となって本体を苦しめる。
このままだと、確実に自分のスタンドに殺される。」
「康太。それを阻止するにはどうすればいいの?」

 アキ君の問いに康君はボクが念写した写真を手に答えた。

「………それまでの間にDIOを殺すことだ。
………だけど手かがりはこれしかない。」

 アキ君は自分のスタンドに写真を見せる。

「………何かを見つけたらしい。スケッチさせてみる。」

 アキ君から紙と鉛筆を受け取ったスタンドは丁寧かつ素早く絵を書いていく。そこにあったのは1匹の蝿だった。

「こんなところに蝿が写っていたのか。」

 康君はその絵を片手に昆虫図鑑とにらめっこしていたけどあるページで止まった。

「………いた。こいつはナイル・ウェウェ・バエだ。ナイル河流域に生息する蝿だ。」
「………やはりじゃったか。恐らくはDIOはカイロにおる。」

 康君の言葉に男の子がそう言った。

「ワシはカイロに旅行中にDIOと会った。」
「よし、そこまでわかれば後はDIOを倒しにカイロに行くだけだよ。」
「ワシも連れて行ってくれんかの?」

 その言葉にアキ君は美波ちゃんと瑞希ちゃんと葉月ちゃんの頭を優しく撫でていた。

「ちょっと出掛けてくるけど待ってて。必ず助ける。」

 その言葉を聞きながらある人物に電話する。

『もしもし。どうした? モミジ?』
「スピードワゴンのお爺ちゃん? DIOの居場所がわかった。DIOは今カイロにいる。」
『わかった。大至急手配しよう。』
「4人分頼む。それと、ホリィさん達がDIOの影響で倒れた。」
『そちらは任せてくれ。必ずDIOを倒すんだぞ。それと、無事に帰って来てくれよ?』

 ボクが通話を切る。と男の子が驚愕に満ちた表情でボクを見ていた。

「お主はどうして世界一の石油王と知り合いなのじゃ?」

 DIOはそこまで教えてくれなかったのか。

「スピードワゴンのお爺ちゃんはボク達のご先祖、ジョナサン・ジョースターの仲間だったんだ。」

 その為、DIOとの戦いもその場にいたけど、見ているだけしか出来なかった己の無力さを嘆き執念で石油を掘りあて、世界一の石油王とスピードワゴン財団を手にしたのだから本当にすごいものだよ。



 数日たって、吉井家の前に黒塗りのリムジンがたっていた。

「ほれ。こいつがモミジ達のパスポートと飛行機のチケットだ。気をつけていくんじゃぞ。」

 スピードワゴンのお爺ちゃんからパスポートと飛行機のチケットを受け取り、ボク達4人は空港に向かった。

「………明久。いつまでも名無しのスタンドでは、不便だ。これからはお前のスタンドは星の白金(スタープラチナ)と呼べ。」

 康君の言葉にアキ君は頷いていた。

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あきゅろす。
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