バカ達の奇妙な冒険
魔法使いの赤
「モミジ君♪ こっちよ♪」
約束の場所にたどり着いた時、聞き覚えのある女性の声が耳に響いた。
「お久しぶりです。ホリィさん。こっちは友達の土屋康太。」
「………よろしく。」
ボクの紹介に康くんは頭を下げる。
「…それで、ホリィさん。アキ君が悪霊にとり憑かれたって話、本人から聞きたいんだけど。」
ホリィさんの案内の元ボク達はアキ君がいる独房にたどり着いた。
「久し振りだね。アキ君。」
「帰ってよ。モミジ。
悪霊相手に何ができるの? 自分の首がこうなる前にさっさと帰ったほうが身のためだよ?」
その言葉と共にアキ君の左手から、小さな何かが落ちる。その正体に気づいたボクは戦慄する。それはボクの義手の小指だった。
「康くん。アキ君を牢屋から出して。」
その言葉に康くんは頷いてアキ君の前に出る。その康くんは構えて、体から鳥頭の何かが、抜け出る。
「何! まさか君も!」
「…そう。俺もお前の言う悪霊が出せる。
…行け。魔法使いの赤(マジシャンズ・レッド)。」
その命令に康くんの悪霊はアキ君に灼熱の炎を浴びせる。
その攻撃にアキ君の悪霊が炎を吹き散らし、康くんの悪霊の首を絞める。それと、共に康くんの首に絞められた痕ができる。
「…何てパワーだ。
………多少手荒になるけど構わないな?」
康くんの問いにボクは頷いた。
「………赤の荒縄(レッドバインド)!」
康くんの悪霊が放った炎は縄のような形をとりアキ君の悪霊を縛り付ける。
「アキ君。これは悪霊じゃない。生命が生み出す力のあるビジョン。
発現者のそばから離れられないからスタンドと名付けられてるそうだ。」
ボクの言葉に何も言わず、アキ君のスタンドは荒縄を引きちぎり、鉄格子をひしゃげる。
それを見た康くんはスタンドをボクのそばに来る。
「こっちを向け!」
怒り心頭なアキ君にたいして康くんの答えは、
「………モミジ。明久を牢から出したよ。」
言われた通りアキ君のスタンドは牢屋から出ている。その事に気づいてアキ君もスタンドを消す。
「してやられたね。」
溜め息を吐きながら呟くアキ君に近づいた。
「アキ君。ボク達の因縁がボク達に牙を剥こうとしている。
そいつは邪悪なる吸血鬼DIO(ディオ)!」
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